今回は有機ELテレビ「XEL-1」の外観についての感想。先日の「最薄部3mm実現の工夫はどこにある」というエントリーで、XEL-1は、パネルの薄さ3mmを実現できたからこそ、そして、デザイン設計をデザイナーにまかせたからこそ生まれた独特な形状というエピソードを取り上げました。定位置が決まってしまうと、ほとんど正面からしか見ることのないのがテレビですが、XEL-1は11型の小型軽量ボディで設置面積も少ないという点で、電源が確保できてなおかつ放送波が受信できる場所なら基本的にどこへでも持って行けるなど、普通のテレビと比べても制約を受けにくいと言えます。
キッチンなどの水回りはともかく、ダイニングテーブルの上でも手軽に利用できます。そういう意味では、XEL-1は実に様々な角度から人の目にさらされる宿命にあるテレビといえます。それ故、デザイナーも頑張ったんでしょうね。黒いテレビはありきたりですが、パネル部と本体の間にシルバーのアーム部をはさむことで、うまく浮遊感を出しているように思います。PS3ブラックの色遣いにも似てますね。個人的にもこのデザインには大いに満足しております。
ちなみに、このパネル部分ですが、使う場所やシチュエーションを考慮してか、パネル部が前と後ろに傾くように作られています。オフィシャルサイトの360度ビューでも確認していただけますが、実際はこんな感じになります。目線よりも高い場所に置いた場合に前に、目線よりも低い場所に置く場合は後ろに傾ければよいみたいです。
とはいえ、基本は目線がテレビの中心にあるのがベスト。今はレポートを書いていることもあって、ひとまず自分の部屋の机の上に置いておきたいわけですが、机の上への直置きだと若干見下ろす感じになってしまいます。そこで、こんなものを使ってみました。
100円ショップで売られている回転式のテレビ台と、以前スーパーで購入した汎用のアクリルスタンドです。どちらも単体でXEL-1で使うのにぴったりなサイズなんですが、これらをあえて合体させて使います。アクリルスタンドの上にテレビ台を置き、その上にXEL-1本体を置きます。これを机の上に置けば、各種コードが接続された状態でも左右の角度をつけられます。こうすることでアクリル台の下に別のものを置くこともでき、スペースを有効活用できます。当然、目線もばっちりでした。
話は変わりますが、XEL-1を使い始めて10日も経つのについ先日まで気がつかなかったことがあります。XEL-1に限らず、今のテレビって操作の中心はリモコンじゃないですか。なので、リモコンを使わずにXEL-1を操作する場合はどんな感じなんだろうと思ってやってみたわけです。操作は、本体スタンド部の上部全面にある7つのボタンで行うのですが、これがまた凝ってるというか。
上の画像を見ていただければと思うのですが、電源が入るとボタンの左右の空きスペースに操作の名称が白く浮き出てくるんです。通常は右から、「電源」「チャンネル+」「チャンネル-」「音量+」「音量-」「入力切換」「ホーム」の順で、まさしく読んで字の如くの操作が可能です。で、「ホーム」を押すとXMBが呼び出されるのですが、これを押した時だけボタンの今度は上部の空きスペースに記号が白く浮き出て現れます。「ホーム」ボタン以外が、XMBの操作に不可欠な、「上」「下」「左」「右」と「決定」に置き換わるわけです。これに気がついた時はちょっと目が潤みました。ちなみに、本体のボタンで可能な操作は限られており、リモコンの「オプション」に相当するボタンなどは用意されていないので、細かい設定などは難しいです。念のため。
そんなこんなで、小さいことなんですけど、XEL-1にはパッと見ではわからない、小型テレビだからこそのこだわりが随所にあって驚かされます。こだわりのあるテレビを、その人なりのこだわりを持って使う。そんな楽しみをXEL-1で味わえるのはなんとも幸せです。11型で20万はチョーお高いですが、買って良かったなあと心から思ったSPAでございました。