Mr.ウォークマンよ、永遠に…

ワタボーさんと匿名希望さんから元ソニー取締役の黒木靖夫さんの訃報についてお知らせいただきました。

黒木靖夫・元ソニー取締役が死去
元ソニー取締役の黒木靖夫さん死去 ウォークマンを開発

大手メディアにも掲載されていました。他にも探せばあるのでしょうが、内容については大差はないので、一番わかりやすいワタボーさんのお便りの引用でご紹介します。

元ソニー取締役の黒木靖夫さんが胃がんのため死去されたそうです。勉強不足のため詳しくは存じ上げなかったのですが、ウォークマンの開発では中心的な役割を担い、“Mr.ウォークマン”と呼ばれていたそうで。サルを起用したあのCMは忘れられません。現在も使われている「SONY」のロゴ・デザインもこの方が手掛けたそうで、ソニー史に残る凄い方だったのだなぁと改めて感じました。故人のご冥福をお祈りいたします。

補足ですが、通夜は16日18時から、葬儀は17日11時から、東京都港区南青山(2-25-38)の梅窓院観音堂でとのこと。

自分が何かを書くよりも、黒木さんがソニーで果たした実績、その人となりを下記のインタビューなどで確認していただく方が早いでしょう。

「ソニーらしさ」を求めて(Sony Design)※これが最新(最後の)インタビュー?
「Mr.ウォークマン」が21世紀に訴えること 黒木靖夫事務所 代表 黒木靖夫 氏
デザイナーズインタビュー[黒木靖夫]
MEDIA TRASH/黒木靖夫インタビュー

(ちなみに、黒木靖夫氏が監修、自らが朗読する「盛田昭夫は会社をこう考えた」がMoraで配信されています。興味のある方は是非!)

「チョロ松(初代)」が老衰で亡くなったのがつい半年前。ソニーのウォークマンビジネスが停滞期だったこともあって、チョロ松の死をひとつの時代の終わりととらえてしまったところがありました。

当サイトでは、さらにその前の2005年1月に「ソニーらしいものづくりへの原点回帰を~ウォークマンをヒットさせた黒木氏が語る」というエントリーでソニーを離れた黒木氏からのメッセージを取り上げておりました。以下は、そのエントリーで引用した黒木氏のメッセージです。

今こそ,ソニーらしいものづくりへの原点回帰が必要だ。そして,その潜在力や情熱は,今でもソニーの中に十分にある

思えば2006年のSシリーズから、ある種の原点回帰ともとれる高音質化への道を歩みつつあるウォークマン。今年3月発売のA800シリーズがプチブレイク(大ヒットとは言い難いと思ったのであえてこういう表現にしました)。日本市場でウォークマンここにありきという存在感を見せつけてくれましたよね。それを証明するかの如く、ASCII.jpにタイミング良く、こんなタイトルのA800シリーズ開発者インタビューが掲載されました。

原点に戻った新しいウォークマン“ウォークマンA”

ASCIIが黒木氏の訃報にあわせて掲載したのかどうかはわかりませんが、このインタビューは冥府へ旅立つ黒木氏への贈り物になったのではないでしょうか。

walkman_ad.jpg

故人のご冥福をお祈りいたします。あちらでは、チョロ松と仲良くしてやってください。

【追記】以下、その後に掲載された黒木氏絡みのコラムです。
【産経抄】「ウォークマン」の生みの親は何を思う
「ソニーは本当にダメになった」 ウォークマン生みの親、古巣への叱咤激励