ソフトの使い勝手(UI)の優劣が製品の優劣を決める

どこよりも「家電メーカー」として面白かったApple--CES&Macworld総括

ITpro、中田敦氏のCES&Macworld総括コラム。iPhoneは、ソフトの使い勝手、とりわけUI(ユーザー・インターフェース)の優劣がそのまま製品の優劣を決めることを痛感させるという点で、CESで発表された他社製品とは世代がまるで違って見えたとか。なお、ソフトが家電の優劣を決めると主張していたのはアップルだけではないとして、マイクロソフトのWindows VistsやソニーのXMBを引き合いに出していました。それらがわかりやすく消費者に伝わっているかは別の話ってことのようですが…。

また、アップルが「総合デジタル家電メーカー」へと変貌を遂げ、同社と競合することになった家電メーカーについても非常に印象的なコメントがあります。

動画コンテンツのダウンロード販売が主流になった時に,AV分野の覇権を握るのはApple TVのような「ホーム・ネットワーク製品」になるだろう。そして現在,ホーム・ネットワーク製品向けのミドルウエアやアプリケーションを全て自前で作っている家電メーカーは,世界に3社しか見当たらない。Apple,Microsoft,ソニーだ。それ以外のメーカーは,例えばデジオンのようなサード・パーティからミドルウエアを購入しているのが実情である。筆者はサンフランシスコからラスベガスのCES会場に戻って,なんともいえない寂しい気持ちになった。

日本で動画コンテンツのダウンロード販売が主流になるのかどうかはわかりませんけど、ホーム・ネットワーク分野でイニシアチブをとれる企業として、アップル、マイクロソフト、ソニーの3社の名前があがっていることがとても印象的ですね。ソニーのソフト開発力向上にさらなる期待がかかります。

家電にいちばん近いPC

こちらは山田祥平さんのRe:config.sys。今年のCESは今までとちょっと違うみたいで、PC関連ベンダーに人が集中していたとか。家電はHD薄型ディスプレイ一色であるのに対して、少なくともPC陣営は将来へのビジョンを見せていたとか。理想的なPCと家電の関係についての考察も大変興味深いです。

ネットワークにぶらさがった家電へのデータデリバリーサービス、どんどん生み出される膨大な量のデータの蓄積とバックアップなどは、個々の家電が持つべき機能ではない。これからの10年は、スタンドアロンだった家電がネットワークにぶら下がり、PCへの依存度を高める10年になることは間違いないし、それは、PCがこの10年で経験してきたことでもある。無線、有線を問わず、ネットワークにつながり、PCと連携することで、家電が自分自身の付加価値を高め、暮らしを豊かなものにしていくわけだ

HDDレコーダーやゲーム機の高機能化で家電とPCの垣根が無くなりつつあるけど、ネットワークが前提になるとPCへの依存(連携・手助け)が欠かせないってことなんですね。PS3だけじゃなくてバイオをリビングへ進出させるicon意味もこういうことなのかな…。

テレビのHDMIの奪い合いが現実問題として出てきそうですが、端子の数も徐々に増えてくるのでしょう。そういう拡張性を含め、今後のテレビはマルチモニターとしての能力が問われそうですね。

【参考】BRAVIA搭載のXMB
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