冨田サウンドにラボラボもといラブラブというかメロメロ

iconicon昨日(2/22)にめでたくソニーミュージックから発売となった冨田ラボ(冨田恵一氏)の「Shiplaunching」を聞きまくっております。非常にバリエーションに飛んだ内容で、うまく言えないんですが、古き良き時代(といっても70年~80年ですが)の音楽のエッセンスが見事にちりばめられていると感じました。曲調が全然違うのに手触りならぬ耳触りというか質感が同じなのは、マルチミュージシャンでもあるの冨田恵一氏ひとりで丁寧に作り上げたサウンドがベースにあるからなんでしょう。

個人的にお気に入りな曲は、高橋幸宏さんと大貫妙子さんをボーカルにフィーチャーした「プラシーボ・セシボン」。夢のような顔合わせも驚きですが、作詞をキリンジの堀込兄が担当しているのにも注目です。詩も良いんだけど、曲はもっと良い。コード進行にもSteely Danの影響を感じました。それ以外の曲も粒ぞろいで捨て曲は全くありません。このループ全盛の時代にあえてMIDIを駆使してグルーブ感を出すドラムに、ツボを押さえた手弾きのベースとギターにもビンテージな味つけが施され、それらをベーストラックに曲全体をゴージャスに彩るストリングス。皆がいい感じにブレンドされて実に味わいのある冨田サウンドを作り出しているように思います。

shipbuilding.jpg先日NHKでオンエアされたトップランナーでもサウンドメイキングについて冨田氏自身が解説するコーナーがあってとても面白かったのですが、現在発売中のサウンド&レコーディング・マガジンにはその「プラシーボ・セシボン」の制作過程を大きくフィーチャーしており関係者ならずとも必見の内容になっています。ちなみに、同誌の特集はWebコンテンツともリンクしており、同曲が生まれた背景、作曲方法やアレンジ過程、演奏、ミックスまで、すべての過程をムービーで見ることができるようになっていますので興味のある方は是非。

ちなみに、冨田ラボといわれてもしっくり来ないという方に補足しておきますが、MisiaのEverything、中島美嘉の「STARS」や「Will」、平井堅の「Ring」などのプロデュースで有名です。実際に聞いてみると、どの曲もテイストが似ていて冨田サウンドをばっちり堪能できますよん。

ああ、3/19のライブ行きたいなあ~。キリンジ、CHEMISTRY、Saigenji、畠山美由紀など、ゲスト陣が豪華で一夜限りのライブだから速攻完売になっちゃったんですよね…。サンレコにDVD化の話も出ていたので、そちらに期待することにします。

ところで、「Shiplaunching」のジャケ写をじっくり見て気がついたんですけど、一番右のクラリネットを持っている紳士は、あのGILLES BESSON(@WORLD DOWNTOWN)ですよね?わざわざ海外で撮影すると思えないから、稲川素子事務所にキャスティングを頼んだのでしょうか…。


【参考】
Shiplaunchingicon(Sony Music Shop)
Shiplaunching(Amazon)
Shiplaunching(Mora)

ソニーからのリリースじゃなければ、iTMSでも配信されて話題になったであろうに…。ああ、もったいない。ちなみに、Moraではばら売りで1曲210円と高いのでCD買うのをお薦めします。