次世代DVD規格争いがポータブルAV市場に大きな影響を与える?

CEATEC JAPAN 2005(1) ソニーとブルーレイ
CEATEC JAPAN 2005(2) メモリースティックとSDカード

二つとも、CNET Japan、渡辺聡さんの「情報化社会の航海図」。CEATEC・ソニーブースの展示構成を実際に見ることでソニーの力点がどこにあるのかを探ったそうです。また、Blu-ray DiscとHD DVDと、メモリースティックとSDカード、といったソニーが深く関わる規格争いについても各陣営の展示構成から力点を探っています。自分は以下のコメントに注目。

元々、メモリースティックにしてもSDカードにしても小型デバイスの記憶容量増加と機器間でのデータ持ち運びが主要用途してイメージされている。しかし、常時接続とネットワーク上のストレージ、共通APIが適度に普及したらどうなるか。iPodのようなソフト(=iTune)と一緒になり再生機器として使えるものに周辺から市場を押さえられ、利便性の部分をネットワークが徐々に代替していくというシナリオは、薄めではあるがまったくありえないものではない。

「iPodのようなソフト(=iTune)と一緒になり再生機器として使えるもの」の登場により、大容量のメモステに手間暇かけて動画を入れ込んでPSPで持ち歩くなんていうスタイルは過去のものになり、あらゆるコンテンツがネットワーク経由で視聴できるような時代になるみたいなことなんでしょうか。

見えてきた次世代DVDの正体

関連して、こちらは小寺信良さんの次世代DVD規格に関するコラム。映像ビジネスはメディアベースからネットワークベースへ移行すると予測する小寺さんは、「PCや専用デバイスを用意することや、それに対しての補償金制度などでまたモメることなどを考えたら、見たいときにすぐ始まる(定額制の)VODのほうがアクセシビリティが高い」とコメント。ただ、HD DVD陣営からセキュアであればコピーを許容する「Managed Copy」という動きも出てきていることに着目しており、

これによって今までダメだろうとあきらめていた部分、例えばマストではないにしてもポータブルAV市場がセルコンテンツの中で生きていくことになるかもしれないし、ホームネットワークの存在意義も新たに生まれるかもしれない。消費者への利便性だけでなく、映像産業全体へ与える影響が非常に大きい部分だ。

として、ポータブルAVプレイヤーの生き残りの可能性も示唆しています。
個人的にはどうでも良いと思っていた次世代DVD規格ですが、その先にあるものを見据えると、自分の大好きなモバイル系デバイスの今後に大きな影響を与えるんだなあと実感できるコラムでした。