先週末のつぶやきでちらっと紹介したソニーのネットジューク「NAS-A10」ですが、これから数回に渡って極私的な感想というか、レビューめいたものをお届けしようと思います。その前に前置きを少しばかり。
つぶやきのタイトルに「Good-bye MD」と書きましたが、MDとお別れしたかった理由は元々色々ありまして…。過去に購入してきたMD関連製品がどれもこれも我が家と相性が悪いらしく、MDコンポの走りだったソニーのQbricに始まり、数日前までリビングに鎮座していたビクターのMDコンポ、MDスロット搭載のデスクトップバイオ「MX5GK」を含め、皆一様にCDからのダビングができなくなるという現象に見舞われまして、ここ数年はほとんどMDを使わない状態が続いておりました。
音楽再生にクリエやiPodを使うようになって自然とMDの出番が減ったこともさることながら、我が家ではすべての部屋で喫煙上等なもので、タバコの煙が光学系ピックアップなどに知らない間にダメージを与えていたのも不具合の理由かもしれません。MDディスクもたまってくればそれなりにかさばるし場所も取るし、面倒くさがりな自分はインデックスのたぐいを全然つけないので何を録音したかわからなくなってしまう始末で、そういう意味でiPodに手持ちの音楽をまとめて持ち歩くというスタイルはものぐさな自分にはとてもマッチしていたんでしょうね。
そんなこんなで、iPod購入以降、ハードディスク採用のポータブルオーディオの利便性の虜になった自分は、2002年の夏に実はこんなモノを購入しておりました。
これ、ソニーのハードディスク・オーディオ・レコーダー「HAR-D1000」です。製品発表は2002年5月で、機能の詳細は「500枚以上のCDを記録し、ジュークボックスのように楽しめるハードディスクオーディオレコーダー発売」というソニーマーケティングのプレスリリースに詳しいです。ポータブルオーディオとの連携などはできませんが、「ジュークボックスのように楽しめる」という言葉にハードディスク・オーディオの可能性みたいなモノを感じさせるものでした。発売当初は6万円弱ぐらいだったようですが、売れ行きが芳しくなく、結局あっという間に値崩れしてディスコンになってしまいました。
理由は使ってみて実感したんですが、機能が中途半端だったことなんだと思います。40GB HDD搭載でATRAC3の132kbpsで最大600時間、CDに換算して約500枚蓄積可能って事で、今回の主役であるネットジューク「NAS-A10」とCDの録音に関する基本的な仕様は変わらないのですが、ネットワークにも未対応のスタンドアローン専用機って事で、楽曲データの管理にえらく手間がかかるんですよね。CD TEXTには対応しているものの、対応しているCD自体が数えるほどしかなく、リモコンでコツコツ手入力しなくてはなりません。自分は値下がり後に4万程度で入手できたものの、すぐに楽曲データの入力にめげてしまいました。(ちなみに、製品デザインは洗練されていると思いますし、フロントパネルのデザインはウォークマンスティック「NW-Eシリーズ」に近いモノを感じます。MDとはさよならしたけど、こっちはさすがに捨てるにはもったいないので自分の部屋で使うことにしました。使い方はあまり深く考えずにテキトーにって感じですが…)
HDDオーディオの先駆けだったにもかかわらず、かなりの部分で中途半端だった「HAR-D1000」ですが、「NAS-A10」になって使い勝手がどう変わったのかという点と、NW-E507購入後にちょこちょことMoraを利用するようになってからPCレスの音楽配信サービス対応オーディオという側面にも興味が沸いてきたこと、NW-HD1やNW-E407といったネットワークウォークマンとの連携を試してみたかったことなどから、今回のネットジューク導入にあいなりました。
ということで前置きが長くなってしまいましたが、次回以降は「NAS-A10」を実際に使ってみて感じたことなどをボチボチと書いてみたいと思います。