足りないんじゃなくて、無くなったのでは…

Appleにあって,ソニーに足りないもの(上)
Appleにあって,ソニーに足りないもの(下)

日経BP社「Tech-On!」内にある日経エレクトロニクス今井氏のコラム(要登録かも)。
Appleが長い時間をかけて使いやすさを重視する文化を育ててきた背景に「User Experience」という考え方があり、それがiPodの成功へ繋がっているみたいなことなのでしょうね。で、今のソニーは「User Experience」をないがしろにしているということなんでしょう。

また、ソニーとApple社には決定的な違いがあるとして、経営陣によるトップダウンのアプローチがないことをあげていますが、自分には正直意味がよくわかりません。企業のトップ自らが率先して事を起こせみたいなことなんでしょうか。暴言吐いて大ひんしゅく買っちゃってるトップがいるというのも困りものですが…。

他の大手電機メーカーと比べてソニーを別格の存在にしてきたのは,ブランド力の強さだとされる。最近,その威光に陰りが見える。その一因は,ソニー製品がもたらす体験に,ユーザーが驚かなくなっていることにある気がしてならない。

というコメントが最後にありますが、最近のソニー製品が新しい体験を何ら提供できていないことに対してユーザー(というかソニーファン)が悲観していているという意味に自分はとらえました。個人的には、今のソニーに足りないものは、「組織的な横との繋がり」と「求心力」のような気がしています。大企業病でバラバラになってしまったベクトルをひとつにまとめないといい加減まずいんじゃないかと。

そう考えるとカギはCellなのかなあ。IBM、東芝との共同開発ではありますが、新しいプラットフォームを一から作り上げ、市場を創出するというのがやはりソニーらしいと思うので。逆にこれで転けたら大変なことになりそう。投資額も半端じゃないですからね…。