昨日紹介した、「ソニースピリットはよみがえるか」の14回を読んだこともあって、何の気無しにソニーのPSXホームページを見に行くと、昨年12月に発売開始になったばかりのDESR-7500/5500がいつの間にか生産完了になっているではありませんか。オンラインショップを覗いてみると、PS.comは販売継続中ですが、ソニスタやビックカメラではすでに販売を終了していました。ちなみに、生産完了になったPSXと同時に発表され、PSXよりも一足早く11月に市場投入されたスゴ録はほとんどが生産完了になっておらず、ソニスタやビックカメラでもVHS一体型DVDレコーダーを除いては販売が継続されています。これって、PSXの新製品投入が間近なのか、それともPSXビジネス自体がフェードアウトしていくのか、どっちなんでしょうね。
「ソニースピリットはよみがえるか」で触れられていたように、国内のハイブリッドレコーダー市場は激戦状態で利益のでない市場になりつつあります。振り返ってみれば、初代PSXの価格のインパクトが結果的に今の国内市場の低価格化を招いたと思っていますし、参入メーカーも増え選択肢に困らなくなった現状はむしろユーザー側にしてみると喜ばしい状況ではあります。ただ、昨年あたりからの大容量化やダブルチューナー対応など、機器の進化の方向性が画一的で他社との差別化が難しくなってきているみたいですし…。
PSXは、3世代目(実際は2世代目か)でやっと当初に掲げたエンターテイメント性の高い、ある意味ソニーらしい製品になりつつあって、今後の進化の方向性を含めて非常に興味深い製品だと思うんです。初代PSXに搭載されたクロスメディアバーは、WEGAなどにも採用されるようになったし、DoVAIOのインターフェースにも影響をあたえるなど、シンプルで比較的誰でも操作しやすいインターフェースとして優れていたことがソニーの内部的にも証明されているのだと思います。そんなPSXの最新機種が発売から2~3ヶ月で生産完了なわけです。バイオを見るまでもなく、新製品の投入サイクルなんてそんなものかもしれませんが、スゴ録と比較するとあまりに息の短い製品のような気がするんです。
プレステ機能を内蔵していることもあって、SCE主導の製品という側面から裏ではソニー本体側とSCEの様々な確執があるのかもしれません。SCEはプレステビジネスで独自の流通ルートを確立しているから、ソニー主導の流通体系やマーケティング手法が気に入らないとか…。Cell搭載の次世代プレステも、ブルーレイ採用とかでゲーム機としてだけでなく、多機能なメディアサーバーになるのかもしれないし、当然PSPなどとの連携も可能な製品になるんですよね?そんな製品のリリースを控えて、ソニー本体と組んでPSXなど作っていられないとか…。
どれも、自分が勝手に想像しているだけなんですが、そんなこんなで(どんなや)、バラバラにスタートしたソニーのハイブリッドレコーダー事業は、「ソニー vs SCE」という新しい構図がグループ内に生まれ、結果的にソニー主導型の製品が「スゴ録」に集約されつつあるのかなあ、なんて勝手に想像しています。
まあ、現場で何が起こっているかは、次回の「ソニースピリットはよみがえるか」あたりで明らかになるのかもしれませんけど、実際はなんのことはない、春商戦向けの新PSXがすでに開発されていたりして…。はたまた、スゴ録は飛ぶように売れたけど、PSXは全く売れなかった、あるいは売れそうにないから生産をやめただけみたいなオチだったりして…。