モバイル/クライアントコンピューティング市場 世界と日本市場の比較分析結果を発表
IDC Japanが、スマートフォン、メディアタブレットおよびPCを合算したモバイル/クライアントコンピューティング市場の世界と日本市場の違いについて分析を行い、その結果を発表。
欧米は2000年から2010年の間で人口に対するPC出荷比率は6ポイント増加しているが、日本は毎年5%前後とほぼフラット。日本では2000年前後から携帯電話によるインターネット接続が可能となっていたこと、PC価格が高止まりしていたことがその背景との分析。
メディアタブレットは、2011年第2四半期時点で世界各地域でネットブックの出荷台数を上回り、米国では同四半期に13インチ以上のノートPCの出荷台数も上回っていることが判明。米国ではiPad 2とKindle Fire発売で市場が大きく活性化。電子書籍の市場も既に確立されているなど、市場が急速に伸びていることが背景と分析。
モバイル/クライアントコンピューティング市場は、2010年第4四半期まで米国が最大市場だったが、2011年第1四半期に日本を除くアジア・パシフィック地域が最大市場になり同年第4四半期には世界の約3分の1を占めるまでに成長。Androidスマートフォン市場の拡大と中国中心のPC市場の拡大が寄与したと分析。世界市場における日本のシェアは、2011年通年でみると約4.5%だがスマートフォンの出荷が増えたことで2011年第4四半期は1,170万台(四半期で初の1,000万台超え)となり市場が拡大中とか。
「国内家庭市場のPCは、欧米に比べて人口当たりPC出荷台数比率が低く、まだ伸びしろがあるマーケット。PCベンダーはユーザーに対しスマートフォンやメディアタブレットと組み合わせた提案を行うことで、ユーザーニーズを引き出すことが必要」とはIDCアナリストの弁。
業績回復への重点分野として、スマートフォン、タブレット、ノートPCなどの「モバイル事業」をコア事業の一つに掲げたソニー。ストリンガーCEO時代に高らかに宣言された4スクリーン戦略のうちテレビ以外の3つがこの領域に入る。具体的な製品では、Xperia、Sony Tablet、Reader、VAIOなど。強力なライバルが多く、見渡す限りのレッドオーシャン。そんな中で存在感を示しつつ、こつこつとテレビ事業も回復しなくちゃいけないのだから大変だ…>再生なるか? ソニーの今後を占うプロダクト
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