« ソニーの映像ネットメディア「eyeVio:アイビオ」が4/27に始動 | メイン | サイバーショットG1の売り上げは柔軟なサービスの提供と機能アップデートにかかっている? »
2007年4月27日
久夛良木CEOがSCE取締役を退任~これにてサイロ崩壊終了?
役員人事のお知らせ(SCE)※PDF
SCEI(以下SCE)及びソニーは、07/06/19付で、現在SCEの代表取締役会長兼グループCEOである久夛良木健氏が、任期満了を持って取締役を退任し、SCEの名誉会長に就任する人事を行うと発表。この人事に伴い、現SCE代表取締役社長兼グループCOOの平井一夫氏が代表取締役社長兼グループCEOに就任するそうです。なお、久夛良木氏は今後もソニーのトップマネジメントに対してシニア・テクノロジーアドバイザーとして技術的なサポートを行うそうです。以下は、久夛良木氏のコメント。
4つ目のプレイステーションプラットフォームを導入し終えた今、これらのプラットフォームにより最先端の技術と全世界のクリエイターの皆様の創造力を結び付けることによって、コンピュータエンタテインメントの新しい世界を加速できたことは私にとっても大変エキサイティングな経験でした。今後はこの経験を活かし、更なるチャレンジを、SCEを離れて更に広いネットワークで加速していきたいと思います。
また、ストリンガーCEOも今回の人事に関して以下のようなコメントを発表しています。
しっかりとした技術に基づくビジョナリーであり、また企業家でもある稀有な人、それが久夛良木健です。彼はソニーグループに数千億円規模のビジネスを創出しただけではなく、業界全体を新しい次元に導くことに成功しました。彼の類まれなビジョンと創造力、そして彼が育て上げたSCEという強力なチームからソニーが受けた恩恵は計り知れません。久夛良木氏は次なるチャレンジを続けてまいりますが、今後とも我々は彼の挑戦をサポートしてまいりたいと思います。また、新しくCEOに就任する平井氏は、北米での経験と手腕をもってSCEを更に発展させ新たな次元へと導いてくれるものと確信しています。
このニュースでは、「26日夕方に開いたSCEの取締役会で久多良木氏が退任を申し出、満場一致で承認された」とあります。これで“業界の織田信長”と言われた久夛良木氏のかかげる壮大なビジョンに振り回されることはなくなる、と思っている人がいたかどうかは定かでありませんが、色々な意味でお役目ご苦労様ってことなのでしょうね>SCE、久多良木会長が退任へ・プレステ生みの親
創業者の遺伝子を引き継いだ人がまた一人経営の最前線から退くことになりました。ある種のカリスマがまた一人いなくなったとも言えますね。時代を感じずにはいられませんが、これがある意味、サイロ破壊=新生ソニーへの布石となるのでしょうか…。自分もかつて、「もうソニーにはカリスマは入らない」なんてことを言ったことがありますが、いなければいないでこれまた寂しいモノですね。とにもかくにも、ソニーグループで一転お荷物になってしまったゲームビジネスの立て直しは急務。新体制で頑張って欲しいものです。
ちなみに、中の人に言わせると、久夛良木さんは実際に実力のある人で、皆に尊敬されているらしいです。性格もとっても温厚で、エッジの効いた物言いをする人でもないようです。まあ、そういわれても直接あってお話しを出来るわけでもなく、部外者には理解できないことも多いわけですが…。とはいえ、我々消費者もメディアのブラフに踊らされていることなく、その人となりを見極めなくちゃいけないのでしょうね。
【追記】本田雅一さんが久夛良木氏の退任がもたらすものと題したコラムをアップ。「ソニー本社が失ったものは、SCEと同じぐらいに大きい」と締めくくっています…>SCE久夛良木CEO退任がもたらすもの
また、ITmediaオルタナティブ・ブログの本田雅一さんのパースペクティブ・アイでも関連エントリーがあがってます。「久夛良木さんに対する印象は、報道などで言われているものとは全く違います」とのこと>SCE久夛良木さんがSCE役員を退任
【関連ニュース】
・SCE、久夛良木CEOが取締役を退任。名誉会長へ-6月19日付け。新CEOには平井一夫氏が就任
・SCEI、久夛良木健氏が6月19日付で取締役を退任。平井一夫氏が代表取締役社長兼グループCEOに就任
・SCEI、久夛良木会長の退任と平井社長のグループCEO就任を発表
・久夛良木氏、SCEI名誉会長に。平井氏が代表取締役社長兼グループCEOに就任
・SCEの久夛良木CEOが退任、名誉会長に
・久夛良木氏退任でPS3の失地回復を目指すソニー
・2002年に、久夛良木氏が語ったこと
・【特別企画】SCEI・久夛良木氏、退任までの軌跡
-----
・任天堂株式会社、平成19年3月期決算説明会を開催 岩田聡社長、「ソフト3億本を販売するためにハードの販売を伸ばしていく」
・任天堂「Wii」を生んだ「ブルー・オーシャン戦略」とは?
・2006年は「第2のアタリショック」の年だった
・SCEJ、PS3「THE EYE OF JUDGMENT」USBカメラやトレーディングカードを同梱して今秋発売
・PS3用USB接続カメラ「PLAYSTATION Eye」同梱で今秋発売決定――「THE EYE OF JUDGMENT」