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2005年9月17日
ソニーディーラーコンベンション視察リポート(2)~新ウォークマン編(2)
【ソニーディーラーコンベンション視察リポート(2)~新ウォークマン編(1)の続きです。】
■Connect Player
ソフトがインストールされたPCこそ複数台展示されていましたが、キーボードはカバーで覆われ全く操作ができなかったため説明員の方に口頭で説明いただきました。既報の通り、ウォークマンAシリーズの新機能を支える大きな役割を担うソフトという位置づけのようです。先述のアーティストリンク機能実現のために、基本的なCD情報以外の独自のデータベースを取得する機能を持つほか、ウォークマン本体に蓄積された再生履歴情報を同期、解析することでデータベースが賢くなっていくということらしいです。コクーンチームのトップだった方が関わっているだけありますね。ただ、聞いたところによると、CDからのエンコードはATRACオンリーでMP3には非対応なんだそうです(MP3ファイルの読み込みはできるようです)。それと、ATRAC3 CDとMP3 CDの書き出しも非対応。SonicStage最新版でできるようになったことが、再びできなくなってしまいました。SonicStageとの共存は可能とのことなので使い分けは可能ですが、ちぐはく感じは否めません。他にも色々と説明してくださったのですが、基本的なことでもできそうでできないことが多く、まだまだこれからという印象を受けました。SonicStageなどで構築した過去の資産との互換性などについては質問するのを失念してしまいました。ごめんなさい。なお、無償配布については現在のところ考えていないとのつれない返事でした。(が、販売店向けに配布された年末プロモーションのご案内には…守秘義務契約でこれ以上はまずいと判断しました。お許しを。)
■その他
新製品向けの専用ケースは触れこそしませんでしたが出来は良いと思いました。別売りリモコンにも触れずじまいだし、ドックスピーカーは本体デザインと今ひとつマッチングしていない印象。ウォークマンビーンズは展示があったのかもしれませんが完全に見落としました。MDウォークマンコーナーは誰も寄りついていなかったのが印象的でした。その他、個人的に大注目のNetJukeの次世代機については別立てで書きます。
□新ウォークマンに関する個人的なつぶやき
一通り触った後でも使いにくいという印象は変わらす、最後まで直感的な操作ができませんでした。携帯電話のテンキーで高速に文字入力できる人でデジタルオーディオプレイヤーを初めて使うという人はもしかしたら抵抗無いかもしれませんが、ネットワークウォークマンやiPodをすでに使いこなしている人が乗り換えたいと思った場合は独特の操作感にとまどうと思います。購入の検討をしている方は、店頭などで実機を触ってみることをお薦めします。とはいえ、正式発表後まもない展示のため、11月に発売される時にはソフトとハードを含めた操作系の見直しや改善が施されるかもしれません。自分も触っていたのは1時間にも満たないぐらいですし、話半分に取っていただければと思います。ちなみに、自分はA1000は買うつもりです。A3000はちょっと大きすぎだし、大容量は初代HD1で今のところ充分。手に馴染むちょうど良いサイズだったことも理由です。それと、ソニーのやろうとしている新しい試みに対してもう一度じっくり触った上で再度評価をしてみたいという気持ちもあります。A6xxシリーズは、個人的にはソニスタ限定モデル含め、今回は見送りするつもりっす。気がかりなのはConnect Playerの仕上がり。最終仕様はわかりませんが、今のままだと下手すると総スカンを食う恐れもあるかもしれないのでは無いかと心配です。
【突然のお便り紹介】
タイミング良く、読者のTMDCさんから以下のメールを頂戴しました。
初めましてSPAさん。クリクラ時代からイチクリエユーザーとして、またソニー信者(笑)として、毎日ソニ☆モバ読んでます。自分はNW-E507/Nを買い、その後NW-Aシリーズとコネクトプレイヤーの概要を知って大激怒したソニー信者の一人でして、そのことに納得がいかずコネクトプレイヤーとNW-Aについて色々考えてみました。で、辿り着いた結論としては、SONYはOpenMGとMAGICGATEを棄てるつもりであのようなシフトに出たのではないかと考えました。根拠の一つとして、ソニードライブのNW-Aシリーズのカタログには、従来機種のそれにはあったOpenMGとMAGIC GATEのロゴがありませんでした。と、いうことはファームアップによる従来機種のコネクトプレイヤー対応や、ソニックステージからコネクトプレイヤーへのMora購入楽曲の引き継ぎ(ASCII24の記事を参照されたし)がほぼ絶望的であると思われます。既にご存じでしたら面目ありませんが、自分はコレを知ってあまりにもSONYが哀れに感じてきました。世間にはDRMを外せと求められ、要求を呑めば従来機種と新機種に歪みが生じ、こんどは暴挙だと叩かれる・・・SMEを擁し、日本の著作権保護団体の方針を愚直に信じたばかりに生まれたOpenMGとMAGICGATE。そこに在っても不幸、無くしても不幸をもたらす、本当に不幸な存在だと思いました。
お便り感謝です>TMDCさん。おっしゃることはよくわかります。自分はDRM否定派ではないのですが、ソニーの場合は転送回数に根拠のない制限があったのがまずかったと思ってます。本当はMDのようにユーザーにフォーマットなどを意識させずにうまくオブラートに包んでひとまとまりのソリューションとして展開できれば良かったんでしょうが、PCの世界の悪い慣習を引きずってしまったために、規格の面ばかりが取りざたされてしまったのではないでしょうか。アップルにしてもフェアプレイという独自のDRMを展開していますが、MP3という選択肢を最初からユーザーに与えていたことが吉と出たんでしょうね。性善説から始めたアップルと、性悪説から始めたソニーの差だと自分は思ってます。ソニーを取り巻く環境はアップルを取り巻く環境とは大きく異なりますが、復権をかけてこの分野の市場で勝者になると自ら宣言したわけですから、幾多の困難があろうと自らの手で切り開いていくしかないのではないでしょうか。結果は市場(消費者)が判断してくれるはずです。ちなみに、手元にある新ウォークマンのカタログにもOpenMG&MagicGateの表示はありませんね。また、MP3の表記の横には「ATRAC」とだけ書いてあって"3"も"plus"も記載がありません。機能表の対応フォーマットも「MP3/ATRAC」としか書かれていません。詳細は自分もわかりませんが、事と次第によっては再び混乱を招くおそれがありますね。ああ、もっと会場で詳しく話を聞いてくるんだった…。お役に立てず本当に申し訳ありません。