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ウォークマンが負けた日

「著作権保護 ソニー固執」、「さよならMD 市場浸食」、「コピー自由には抵抗」

といった、刺激的な見出しが目に飛び込んできたのはこの土曜日に朝日新聞に掲載された「変転経済~証言でたどる同時代史」の第10回目。

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昨年2006年に出荷された携帯音楽プレイヤー8400万台のうち56%がいう驚異的なシェアを誇るアップルに対して、その十分の一にも満たない5%なのがソニー。ウォークマンを世に送り出したソニーがその他大勢に入っているということを図で示したといったところでしょうか。

記事ではウォークマンがiPodに取って代わられる複線が99年にあったとして、ソニーのネットワークウォークマン誕生の背景からMDが駆逐されるまでの経緯を紹介。ソニー関係者にとっては耳の痛い、ファンにしてみれば耳タコな内容ですが、悲しいかなこれが現実。

また、記事では99年にネットワークウォークマンを世に送り出した出井氏が描いた市場の未来図をアップルという異形のライバルが現実のものとしたとして締めくくっていますが、出井氏ご本人の証言をじっくり読んでみると、この問題の本質は必ずしもソニーだけに当てはまることでないことがわかります。

「小型化から臨機応変へ」とは記者の見方ですが、小ささそのものが付加価値になる時代はもう終わったのだと。デジタル時代にふさわしいモノづくりには、社内外の能力を臨機応変に結集させるシステム作りが必要なのだとか。

ソニーも、昨年の暮れあたりから、ノイキャン、高音質を売りに新機軸を打ち出し、売れ行き好調なビデオ再生対応のウォークマンA800ではNECのチップを採用、自社の技術だけに頼らない臨機応変さをすでに実証済みではありますので、できることならその辺についても言及して欲しかったところではありますね。

とはいうものの、個人的にはA800のヒットぐらいであぐらをかいてもらっては困るのです。音楽好きな自分がiPodを支持する最大の理由はまさにコレ(↓)なんです。

音楽を全部ポケットに入れる

実際は&シャッフルですが…。iPodのHDDタイプは今となっては持ち歩くのにも勇気がいるのですが、iPodのiPodたるゆえんはココにあるし、音楽ファン・アーティストの支持を受けたのもこのコンセプトがあったからこそ。アップルがHDDタイプのiPodをラインナップし続ける理由もうなずけます。

ウォークマンでも音楽全部を持ち歩きたい!ウォークマンにも、我が家ににある音楽を全部入れて持ち運びたいんです。8GBでは全然足りないんです。ソニー的には今後HDDウォークマンの開発は無いそうですが、フラッシュメモリの大容量化により、ゆくゆくは何百ギガの容量を持つメモリタイプのプレイヤーも出てくるのでしょう。

アップルと同じことをしてもつまらないという気持ちもあるかもしれないですが、自分としては検討して欲しいのですよね…。幸い、ソニーにはネットジュークというノンPC製品を持っています。音楽を全部ネットジュークにいれ、さらにその全部をいつでもどこへでもウォークマンで持ち出して聞く。そんな単純な音楽の楽しみ方を提供してくれないものでしょうか…。

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ウォークマンS700/600シリーズがディスコン間近?【追記あり】

先日、ノイキャンヘッドホンのゴム製リングの件で自分が想像していたよりも盛り上がってしまったウォークマンSシリーズicon(S700)ですが、ソニスタを覗いてみたらS600シリーズを含め、大半が入荷未定または販売終了というステイタスになっていました。

iconiconメモリー4GBの706Fはゴールドのに販売が継続されており、ピンクはすでに販売終了。2GBの705Fは全て入荷待ち。1GBの703Fはゴールド以外が入荷待ち。600シリーズは603(1GB)のブルー以外全て販売終了でした。

ちなみに、アマゾンではまだまだ在庫があるものが多いですが、こちらも在庫限りなのかもしれません>ウォークマンSシリーズ(Amazon)

自分はS705Fのゴールドモデルを持ってますが、A808購入後も絶賛愛用中です。ノイキャン内蔵であのサイズはやはりすごいです。S700が発売されたのは昨年の確か11月ですよね。気づけばもう半年以上も経っているんですよね。その間、A800とE010シリーズが発売され、音質に関してはEシリーズも並んでしまいましたから、そろそろ新製品投入の時期なのかもしれません。

ゴムリング問題はさておき、長く使いたい人はヘッドホンの予備もゲットしておきたいかもですね。中には、残り少ない新品を予備機として押さえておく人もいるのでしょうか。いずれにしても、欲しくても買えなくなる日が近づいているのは間違いなさそうです。

と、こんなエントリーを書いている途中でつい先頃A808のホワイトモデルを購入なさったというVirgoさんから以下のようなお便りが。

件のヘッドホン問題ですが、A808を1週間前に購入して付属ヘッドホンのそのゴムがないけどしっかり接合されてなければならない部分に隙間が開いておりました。
http://blog.so-net.ne.jp/virgo_dragoon/2007-07-16
またEX90SLでも1部ずれてしまった方を存じ上げております。

業界は違えど興味深いブログがありましたので
http://blog.livedoor.jp/noritakaishida/archives/64681760.html
少しSONYにも見習って欲しいです。

お知らせ感謝です!エントリーを拝見しましたがさすがにあの隙間は気になりますね…。ちなみに、手持ちのA808付属のヘッドホンを見てみましたが隙間はありませんでした(ほっ…)。量産品とはいえ、チェックは怠ってもらっては困りますよね。しかも、入念なチェックが行われているはずのEX90でも症状が出ているとは…。ご紹介いただいた「ベスト販売」社長さんのエントリーも大変興味深く読ませていただきました。今回自分が話題にしたゴムにしても実に些細なことなんですけど、そんなことでいちいち突っ込まれないようなモノづくりをして欲しいですよね、ソニーには。

【追記】その後、tikahiroさんからS700シリーズ絡みでこんなお便りを頂戴しました。(ご無沙汰&感謝です!)

例のNW-Sシリーズのイヤホンのゴムリングの件、僕も使い始めて1ヶ月くらいで切れてしまい、いままでほっといていました。が、このエントリーみて、僕も職場の近くのソニー修理受付認定店で注文できないか相談してみました。早速担当の方に連絡してもらって、パーツ取り寄せという形で対応してもらいました。値段は4200円。思ったより安く済みました。

以下は余談ですが、NW-S706Fを使っていますが、これかなり気に入っています。特にケースとかに入れていないので、SONYのロゴは半分くらいしか読めなくなってしまいましたが・・・。A808も興味あるのですが、チューナーが付いていないというのがネックで今一つ踏み切れません。サウンドもS706の方がいいと思っていますし・・・。A808シリーズでチューナー内蔵、ノイズキャンセリング機能つけてくれませんかね。

おおー、ヘッドホンごとご注文ですね。蔵三さんからもお知らせいただきましたが、税込4,200円でお取り寄せ可能なことがはっきりしましたね。ゴムのみを取り寄せた場合が356円らしいので予備のヘッドホン購入と合わせて5千円でお釣りが来る計算になりそうです。S700を長く使いたい人はこうなりゃ両方ゲットですね。ちなみに、自分はまだどこにもコンタクトとってません。バイオのこともあったので、やはり目の前に人がいる方が良いなあと思うところがあって、近々本社のサービスセンターに乗り込もうかと思ってます。結果はまたサイトでご報告するつもりです。A800シリーズのノイキャン機能は次の機種であるんじゃないですか…。ただ、今のサイズにおさめるのはかなり難しいのかも。それはともかく、Sシリーズの新製品にも期待したいですよね~。

インナーイヤーレシーバー対応スペアラバーリングはどこで入手できるのでしょう?【追記あり】

先日、ウォークマンNW-S705Fをお伴に外出した際、ノイキャンヘッドホンのハウジングに巻かれているゴム製のリングがずれていたのを発見(画像中央)。直そうとしたらぷつりと切れて使えなくなってしまいました(画像左)。

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とれてしまってからわかったのですが、このリングがないと耳からはずれやすくなってしまうんですね。ゴムがあることで耳に摩擦が生じて、はずれにくくなるということに初めて気がつきましたです。

ちなみに、同様のゴムはEX90SLにもついていますが、こちらはハウジングと一体化しており、かなりしっかりとした作りでそう簡単にはずれることはなさそうです(画像右)。また、A800シリーズに付属するEX85SL相当のヘッドホンにはリングはついておりませんでした。

これらのヘッドホンに共通するインナーイヤーレシーバー対応スペアイヤーピースはオプションとして普通に売られているのですが、このリングは売っていません。まあ、別にこのリングがなくても支障はないのですが、どうにも気持ちが悪い。

入手しようと思ったらやはりソニーのサービスセンターに問い合わせて取り寄せるなりしないといけないのでしょうね。どなたか同じ症状に会われた方いらっしゃいますか?って、自分でサポートに問い合わせてみればいいんですよね…。ということであとでコンタクトしてみまーす。

【追記1】本件について、同様の症状に見舞われた方からご連絡を頂戴しました。

【from ルースさん】
SPAさんと同様に、私も、MDR-NC22ですが「ゴム製のリング」がズレて切れてしまいました。私の場合には、購入してからすぐにリングがあるべき所から外れていて、こういう仕様だったかなと思いつつ使っていたら切れたという感じです。その後に、サービスセンターに電話したら、「その部分は外れるはずがない。」みたいなことを言われ、「購入した販売店で修理を頼んで下さい」となり、修理依頼しました。結局、新品と交換となりまして、新しく手に入れたMDR-NC22は、「確かに外れるはずがないな。」と思うほど頑丈にくっついております。というわけで、SPAさんも交換となるのではないでしょうか。

【from かつぽんさん
あぁ、僕も一緒です!NW-S706F/Tのラバーリングが切れちゃいました!以前から良くずれていたので、ずれては直しずれては直しを繰り返してきたんですが、もう限界だったのか先日プツリと・・・ネックストラップにヘッドホンを固定して使っていたので、ヘッドホンコード自体にもヤレが目立ったため、僕はサポートに連絡してヘッドホン自体の新品を送ってもらいました。価格は正確には覚えていないのですが、確か2本で送料消費税込み¥10000円強だったように記憶してます。あまり参考にならないかもですが、いちおうご連絡してみました(^ー^)ノ~~

【from mratsさん】
スペアラバーリング、自分のも片方切れてます!S706Fの付属のイヤーレシーバーですから同じものですよね。あ、同じ症状だ!と思い、速攻書き込ませていただきました。発売とほぼ同時に購入し、月~金はほぼ毎日使用、そして切れたのは2ヶ月ほど前です。自分の場合、装着感にそれほど影響はないのですが、遮音性とかに差が出るとしたら、気になりますね。耳の皮脂とかで劣化したのかなという気もしますが、1年もせずにこうなってしまうのは、もうちょっとしっかりつくってほしいですね。

皆さん、感謝です!ルースさんは販売店対応の交換、かつぽんさんはサポート対応のパーツの追加購入ということでしょうか。にしても、サポートの「その部分は外れるはずがない」という発言は、一体なんの根拠があってのことなんですかね…。素材がゴムである以上、劣化も避けられないですし。ルースさんが入手した新品が頑丈なのはゴムの作りを変えたからなんですかね。もしもそうなら、ゴムだけ欲しいなあ。いずれにしてもお互い連絡してみないとですね~>mratsさん。

【追記2】その後も続々と情報が…。(感謝です!)

【from ルースさん】※上記の追記した内容に関して
「ゴム製のリング」自体の素材はもとのものと同じものであると思われ、交換後の新品はリング部分がしっかりと固定されています。このため、「リング部分の接着方法を変更したものを送ってきた」、あるいは、「きちんとリング部分が接着されたものを送ってきた」のどちらかだと思われます。多分、正規品としては、リングがきちんと接着されて固定されているのが通常の状態であって、リングが外れるのは以上なんでしょう。だからこそ、サービスセンターの「外れるはずがない」という発言がでたのかなと思ってます。

【from やまさん】
友達が同じ事象になりましたが、ビックで「型番:MDR-NC32NX」を注文し購入したみたいです。どうやら製品のリングは1㎜厚で追加で購入したものは3㎜厚だそうです、今ではすっかりずれなくなったようです。

どうやら、3mm厚のリングがしっかりと接着された状態が完璧ということのようですね。手持ちのNC32NXで確認してみたところ、厚手のゴムで確かにしっかりと固定されているように見えます。ということは、初期のSシリーズ付属のものと単体のノイキャンヘッドホンの初期型には1mm厚の薄いゴムが採用され、これが元で皆同じ症状に見舞われているということになりそうですね。いやはや、これは相当な数なんでは…。

その後、やまさんから、「ラバーリングの価格は、2個で税込み\356、入荷に約2週間だそうです。全交換で\10,000は高い・・・」との補足コメントをいただきました。単体で買えるならそっちでいいかなあ…。全交換10,000円はかつぽんさんのことだと思うのですが、この場合は修理ではなく部品の取り寄せで、しかも二つで10,000円のようですので、必ずしも高いとは言えないような気もします。(蔵三さんからの情報ですが、かつぽんさんが取り寄せたNW-S706F/T専用のヘッドホンの価格は一本あたり税込4,200円だそうでです。手数料を取らない販売店経由の取り寄せなら、上記価格で済むと思うとのこと。お知らせ感謝です>蔵三さん)

【追記3】品質への取り組みが経営の重要課題となっているソニーが、製品づくりの品質管理ルールを全面改定、グループ共通の品質標準を新たに策定するそうです。市場に投入する全製品で守るべき「ソニー品質」の標準を再定義するとか。ヘッドホンも良くチェックしてくださいね!>ソニー 共通品質標準 9月めど、外部委託先にも適用

【追記4】その後も続々と情報をいただいております。本当に参考になります。皆さん、ありがとう!

【from akkiさん
私の場合、2月にMDR-NC22(白)を購入してたしか2ヶ月ほどで左右共切れてしまいました。昨年12月に購入したNW-S705Fの方はずれますが今のところ亀裂は入っていません。もしかすると黒より白のほうが切れやすいのかもしれませんね。

【from Arizonaさん】
私も、NW-S705Fを利用しており、イヤホンのラバーがボロボロ、ユルユルで外れやすくなりました。ラバー部が部品設定の為、オプションで購入できず、取り寄せになるために困っていました。対応として、スペアーイヤパッドEP-E1を購入、小さな穴を開けてカナル部分に通して使っています。スポンジの為、遮音効果は多少減りましたが、耳への負担は少なくなった気がします。(耳の穴が小さいため、純正では長時間の使用で痛みを感じていました)

【from だぶろんさん】
昨年末に購入したNC32NX。先日、ソニーサービスセンターに持ち込んだところ、製品そのものを無償交換してもらえました。リングのせいで、使用に支障がでている旨を伝えたところ、担当の方が、熟考されたうえ、上司と掛け合ってくれました。

eneloop USB専用充電器セットを試す~アレとの接続はお約束?

5/24のつぶやきエントリー中に届いたのはコレ。三洋eneloopの「USB専用充電器セット」でございます。家電Watchにも詳細なレビューが掲載されていますので、細かい話は抜きでさらりとご紹介。

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価格は税込1,980円。パッケージはお馴染みブルーのグラデ。中身は充電器本体と単3型の充電式ニッケル水素電池が2個、取説というシンプルなもの。自分もですが、電池はすでに大量に持っているという人のために電池無しのパッケージ(1,500円ぐらい?)も用意して欲しかったところです。ちなみに、充電時間は単3が2個で280分、単4が2個で120分だそうです。

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その単4の充電は、アジャスターを畳むことで可能になります。この状態で本体とアジャスターがフラットになるので余計な突起が無くなって持ち運びやすくなるようです。なかなかよく考えてますね~。

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ソニーの多機能ポータブル充電器「CP-3H2Kicon」と比べてみると、そのコンパクトさがわかります。といっても、製品のコンセプトが真逆なので、比較しても意味もないのですが…。

eneloop_usb_4.jpg真逆の製品だからこそできるのが両者の接続。お約束ですね。電池で電池を充電することにどれだけ意味があるのかという話もありますが、CP-3H2Kでは単4の充電ができないので意味がないこともないかと。また、CP-3H2KをAC電源に繋げば一挙に4本の電池を充電することもできます。とはいえ、出先に両方を持っていくようなシチュエーションは正直あまり無いかもしれませんね…。

ただし、単体で考えると話は別。ノイキャンヘッドホンや乾電池駆動のデジカメ、ワイヤレスマウスやBTキーボードなどを持ち歩くことが多い人にとっては便利なグッズかもしれませんよ。ちなみに、ソニーのCyber Energyも問題なく充電できました~。

ウォークマンA800の開発は商品企画が要求する機能を実現できるチップ探しから始まった

打倒iPodの秘策はあるのか?メーカー開発者に聞く新型ウォークマンの内側

デジタルARENAの特集“ビデオ対応、音質向上! 打倒iPodに燃えるソニー  新型ウォークマン「NW-A800」徹底解剖“の第3弾(最終回)として、ウォークマンA800シリーズiconの開発者インタビューが掲載されました。『日経ベストPC+デジタル』の5月号でウォークマンのバラシ企画をやるとかでデジタルARENA編集部が同行して行われたインタビューとか。ということで、気になるコメントをピックアップしてみました。

・商品企画が要求する機能を実現できるチップを探してもらってから企画がスタート
・CPUとDSPがワンチップになった汎用チップだが、かなりソニー側の要望を組み込んでもらっており、いろいろ提案していく中で、性能を引き上げていった
・動作によって細かくCPUのクロックを制御しておち、常に必要な処理にギリギリのスピードしか出さないようにしている
・音声RSSチャンネル(ポットキャスト)は、今回は対応できていないということ。ポッドキャストを嫌がっているわけではない
・「DSEE」オンで消費電力は3割ほど増える
・「クリアステレオ」はノイズキャンセリングヘッドホンと同じ理屈(ケーブルの長さが違うとインピーダンスも変わるため、延長コードの有無で別々の設定を用意)
・「ダイナミックノーマライザー」はアクティブなゲインコントロール。周波数特性はそのままだが、聴覚の特性として、音量が上がると低域が増えたように感じるため、「ONにすると低域が増える気がする」のだと思う
・(ウォークマンは残留ノイズが多いのではという問いに)かなり良くなっていると思う&(アップル製品よりも多いのではという問いに)決してそんなことはないと思う
・(iPodはパワーがあるのでインピーダンスの高いヘッドホンが使え、相対的にボリュームが上がるので残留ノイズから逃げられるがウォークマンはパワーがないからそれができないという事に対して)ソニーの(モバイルオーディオ用)ヘッドホンは全部16Ωで、チャンネル当り5mWが基準。出力を上げすぎて難聴にならないようにするため。今後の課題にする

iconicon細かい話は置いておくとして、商品企画ありきでそれを実現できるチップを探し、見つかったら見つかったでチップメーカー(NECエレ)と一緒に磨きをかけていったのがA800というわけなんですね。

ノイズに関する指摘は痛し痒しなのかもしれませんが、使う場所もあるでしょうし、気になるかどうかも個人差がありますからね…。ちなみに、自分がノイキャン最高峰の「MDR-NC60icon」を今ひとつだと思うのも、やはりこのインピーダンスの関係からなのかもしれません。

それはそうと、マイコミジャーナルにiPhoneやクリエTH55に近いイメージのSNSケータイなる商品のニュースが掲載されています>iPhoneライクなSNS携帯電話「Pi」開発中 3モデルで今夏発売

ウォークマンはあくまで音楽プレイヤーということですが、何とはなしにこういう方向性にも期待しちゃうんですよね。まあ、この辺はmyloの役目なんでしょうけどね…。

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ノイキャンヘッドホンの最高峰「MDR-NC60」を使ってみたけど…

少々時間がかかってしまいましたが、ソニーのノイキャンヘッドホンの最高峰といわれる「MDR-NC60icon」のインプレをお届けします。昨年度の下半期分で最後まで残っていたソニスタのAV商品15%オフクーポンとA800購入で獲得したソニーポイントなどを使ったので、定価のほぼ半額の12,000円強で購入できました。

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パッケージには、ヘッドホン本体以外に、取り外し可能なステレオミニタイプの接続コードの1.5mと0.5mが一本ずつ、ステレオ標準プラグアダプター、航空機用プラグアダプター、そしてそれらをひとまとめに収納できるキャリングケースと動作確認用の単4乾電池が1本付属します。

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付属のキャリングケースは結構良くできていて、本体以外に付属品一式を収納できるポケットがついてます。本体のハウジング部が90度反転するスイーベル式なのは、このケースや航空機の座席ポケットなどへの収納を考慮してのことらしいです。

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ノイキャン機能を使うためにはバッテリーが必須ということで、NC60は右ハウジングに乾電池を収納するような設計になっています。ハウジングの下にある円いボタンを押してカバーを開いて乾電池を入れるだけ。ノイキャン機能を有効にするにはは、右ハウジングにあるPOWERスイッチをONにします。ノイキャンが有効な状態ではスイッチ上部のPOWERランプが赤く点灯します。ちなみに、乾電池の持続時間はソニーのアルカリで約30時間、マンガンで約15時間だそうです。なお、電池が消耗してくると同じく右ハウジングにあるPOWERランプが暗くなります。

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ヘッドホン本体の作りは非常に丁寧で、メディアのレビューにも書かれていましたが質感はそこそこ高いです。イヤーパッドもD777SL同様にソフトでしっとりしており、装着感も非常に良いです。長さ調節の金具は平板タイプでメモリ入り。ヘッドバンドも非常に柔らかく頭が締め付けられる感覚はありません。この辺は金具の曲げが絶妙なんでしょうね。これもひとつの職人芸なのかもしれません。

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一応、手元にある「MDR-D777SLicon」と比較してみました。サイズ的にはNC60の方がひとまわり大ぶりですが、パーツの構成が似ているため、設計思想そのものは非常に近いと感じました。SONYロゴが入っている部分も色こそ違いますが、3次曲面のヘアライン仕上げになってます。曲面はD777SLよりは緩やかで平面に近いですが…。

デザイン的には、非常にオーソドックスというかおとなしめ。カラーリングも、ハウジングのヘアラインパーツの円周部分とヘッドバンドの金属の平板を除き、大半がブラックなんです。出張が多いスーツ姿のビジネスマンが使っても違和感がないというところを狙ったのでしょうかね。個人的には好きなデザインですが、荒川静香さんは使ってくれなさそうな、ある種男性的なヘッドホンといえそうです。もちろん自分個人の先入観ですが…。

で、肝心要のノイキャン性能と音質についてなんですけど、正直、え~こんなもんなのという感じです。ノイキャンオフの状態では、音圧もなくフィルターがかかったような、音が奥に引っ込んでしまっているような印象です。ノイキャンオンでは、音質が一転。全体がブーストされたかのように定位や音像がくっきりするのですが、高域~中域が強調され、反対に低域が引っ込み気味なるのが気になりました。ちなみに、インピーダンス値がノイキャンオン時に40Ω、オフ時に100Ωだそうですが、これが何か関係しているのでしょうか。知識がないのでよくわからないのですが…。

D777SLと聞き比べてみましたが、NC60のノイキャンオン時に音量的にほぼ同等という印象。メディアのレビューにもあったとおり、NC60の場合はノイキャンオン状態で使用することをすすめていたのもうなずけました。ちなみに、以前購入した「MDR-NC32NXicon」はインナーイヤータイプということもあるのか、ノイキャンがオンでもオフでもさほど音量に変化は無いです。NC60の場合はノイキャンオンとオフであからさまに音量が変わるので少々とまどいましたです。NC32Xで感じた音質の変化は、「あれ、変わったかな?」というレベルなんですが、NC60の場合ははっきりと変化します。

必ずしも音が悪いとか聞きにくいというわけではないのですが、ハウジングにノイキャン回路が入るだけでこんなに音って変わるんだということを認識させてくれるのがNC60です。アナログの権化のようなD777SLと比べること自体間違っているのかもしれませんが、あまりの違いに少々驚きました。

また肝心のノイキャン機能ですが、先週末にウォークマンA808とNC60とNC32NXをもって渋谷までお出かけして検証してきました。NC60は1/6、NC32NXは1/4のノイズ低減効果があるようですが、移動中の地下鉄車内でも街中でも、ぶっちゃけ性能の違いを体感できませんでした。NC60は密閉イヤーパッドを採用しているのでその分ノイキャン効果も高いのかなあと思っていたのですが、必ずしもそうではなかったです。

あと歩行時に足から伝わってくる振動音がかなり気になりました。NC60は正直街歩きには向かないですね。もちろん、履いている靴によっても違うでしょうし、ノイキャンヘッドホンをしたままの歩行自体がある意味危険行為なのであまりやる人もいないとも思うのですが…。それと、これはノイキャンの宿命だと思うのですが、機能オン時はやはりそれなりにホワイトノイズが出ます。このヘッドホンが使われる環境を考えれば個人的には十分許容範囲です。

iconicon以上が購入後数日間使ってみた感じたNC60の印象です。ほんの数日間しか使っていなくて結論を出すのもどうかとも思いますが、正直なところ自分にはこのノイキャン最高峰と言われるヘッドホンの良さが理解できませんでした。好みの問題はありますが、ぶっちゃけNC32NXの方が自分には合っているというか、良いじゃんぐらいの勢いです。半額で買えたから良かったようなものの、もしも定価で買っていたらかなりがっくりきたかもしれません。当初は「DR-BT50icon」を買うつもりだったんです。ただ、そうすると使える機器が限られちゃうし、なによりデザインがD777SLとそっくりだったこともあって、汎用性を重視してNC60に決めたのですが、正直自分には必要なかったかもしれません。

ということで、少々厳しい評価になりましたが、これはあくまでSPA個人の感じた印象です。人によっては全く印象も異なります。なので、購入を検討しているという方は、絶対に視聴した方が良いと思います。高い買い物ですから、ポータビリティ性能についても見定めないとですね。

(やっぱり、ヘッドホンにも相性ってあるんですよ、きっと…。)

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