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リニアPCMレコーダー市場が急拡大~新たな生録トレンド形成か

「生録」ブーム再来、麻倉怜士がいち押しのリニアPCMレコーダー

現在、意外なほど注目を集め、参入が相次ぎ、市場も急拡大しているとして、麻倉怜士氏がオススメのリニアPCM対応ICレコーダーを紹介。

iconicon現在のPCMレコーダー市場の盛り上がりの背景やそれを支えるデバイスや技術の他に、ソニーの存在感抜きにPCMレコーダーは語れないとして、ウォークマンやプレスマン、DATの登場背景も解説してくださってます。実機インプレではソニーの「PCM-D1icon」と「PCM-D50icon」を真っ先に紹介。後者は麻倉氏をして「名器」と言わしめております。最終的にはリニアPCMレコーダーが「新たなナマロクトレンドを形成する」との締めくくりです。

iconicon自分も2月にみんぽすさんからD50をお借りしてレビューをアップしましたが(下にリンクしておきます)、その使いやすさには感動しました。デザインも素晴らしく所有する喜びを感じさせてくれる一品だと思います。麻倉氏が「名器」と呼ぶのもわかるような気がします。生録も良いですが、ライン録音も優秀ですのレコードのCD化などにも一役買ってくれるのではないかと思います。

(手軽な生録マシンとしては、いまだに売れ続けるHi-MDウォークマン「MZ-RH1icon」の存在感も忘れちゃいけませんね。)

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【みんぽすモノフェローズ】リニアPCMレコーダー「PCM-D50」を試す(2)~宅録編

生楽器の録音に力を発揮するD50ですが、空気を伝わる音であればなんだって録音できるわけです。当然、バンド演奏の生録だっていけちゃいます。とはいえ、自分がバンドを組んでいたのは大学時代まで。社会人になってからはバンド活動もままならなくなり、MIDIやらダブルカセットMTRなどでひとりでせっせと多重録音してました。その後、紆余曲折あって(?)、この手の機材や楽器と縁遠くなってしまいましたが、押入を引っかき回してみたところ、手頃な機材が見つかったので、今回はそれを使って一人バンドのライン録音を試してみることにしました。

■宅録派はライン録音で

D50のLINE IN端子は右側面の上から2番目。ステレオミニ端子で光接続にも対応。CDやMDプレイヤーなどを光接続コードで繋ぐとデジタル録音も可能で、D50の内蔵メモリーにダビングすればD50を高音質のオーディオプレイヤーとして使えます。これ以外にも、DATやデジタルMTRなど、光出力ができる機器であれば、デジタル録音できちゃうそうです。

音楽CDをデジタル録音をしてもファイルは公開できませんので今回は手持ちのMTRを使って外部録音を試します。使うのはZOOM社のPalmtop Studio「PS-02」。乾電池駆動の手のひらサイズのMTRで、出た当時は世界最小のレコーディングスタジオと言われていたヤツです。PS-02自体が優れもので、小さな筐体に3トラックのマルチレコーダー機能を有しているのですが、ここではリズムマシン兼アンプシミュレータとして使い、最終的なアウトプットをD50で録音します。

PS-02のインにはエレキギター(シェクターのストラト&ヤマハのベース)を一般的なギターシールドで、PS-02のヘッドホンアウトをD50のLINE INにステレオミニケーブルでそれぞれ接続。PS-02のプリセットソング(パターン)にあわせて適当に演奏したものをD50で録音してみました。なお、ファイルは前回同様、Sonic Stage Mastering Studioでノーマライズ後、24bit SBM WAV(16bit/44100)で出力後、さらにATRAC3 256kpsに変換しています。

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03_elg_spa.OMA(エレキ・シェクターストラト&ヤマハベース・2分59秒・5.49MB)

アコギで指ならしをしていたこともあって、エレキに持ち替えるとラクチン。弦はかなりさびていたんですが、張り替えずにPS-02のエフェクトでごまかすことに。基本はアドリブ(適当)で一発録り。エフェクト変えたり、ピックアップを切り換えたり、指弾きしたり、コードカッティングしたりといろんなパターンを録音しましたが、レベル調整さえ間違えなければ問題なく録音できます。ベースも何年かぶりで弾きましたけどPS-02のリミッターがちゃんと効いているのか、派手なチョッパーでも音割れしません。演奏内容はともかく、音のクオリティも十分。ノイズらしいノイズも感じられません。D50のライン録音、全然問題なしです。

今時のMTRは恐ろしく高機能ですから、こんな使い方をする必要もないでしょうけど、一昔前の機材を使っている場合は便利かもしれません。ギタリストな人ならPODのようなアンプシミュレーターをかませて、お気に入りの音色やフレーズ、コード進行のメモ帳代わりに使ったりしても良いかもです(<適当)。

■Sonic Stage Mastering Studioで編集・出力

D50はレコーダーとしての機能は優秀ですが、単体で可能な編集作業は曲の分割(DIVIDE)程度に限られます。なので、細かい編集は録音データをPCやMacなどに取り込んで、音楽ソフトで行うのが一般的なパターンになりそうです。D50にはマスタリングソフト「Sonic Stage Mastering Studio(以下、SSMS)」が標準で付属していますので、追加投資いらずで録音したデータをある程度まで編集・加工して、最終的にCDに焼くといったマスタリングまでの作業が行えます。バイオ以外のWindows PCでも使える初めてのSSMSという点にも注目が集まりましたね。ちなみに、D50はUSBマスストレージ対応なのでドライバいらずでPCに接続可能です。

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今回公開させていただいたデータは、手持ちのバイオ「type T(TX90PS)」にSSMSを導入後、D50から録音データを吸い上げてから編集と加工を施し、SonicStageに読み込んでからATRAC3変換とデータ結合を行ったものです。具体的には、SSMSではエフェクトは一切使わず、データの分割、ノーマライズ、トリム・フェードだけを使用。出力(ミックスダウン)はWAV形式でサンプリング周波数は16bit/44,100Hz、さらにSBMを有効にしています。一昔前のノートなのでCPU的につらいかなとも思ったのですが、ノーマライズもサクッと終了。なかなかに快適に使えました。エフェクトを使わなければさほど負荷もかからないみたいです。

ちなみに、SSMSで編集・加工したデータを、録音時のフォーマットのまま、再びPCMレコーダーやあのHi-MDに出力することもできるそうです。クオリティを少しも落としたくないという人には便利な機能ですね。なお、SSMSについてはAV Watch、藤本健さんのDigital Audio Laboratoryに詳しいので興味のある方は是非>ソニーのポータブルPCMレコーダ「PCM-D50」を試す~ 実売6万円。16bit録音用のディザリング機能も~

■まとめと雑感

iconicon実際に生録を試すまでがてんやわんやでしたが、単体のポータブルレコーダーとして、PCM-D50iconは本当に良くできていると思いました。高レスポンスがもたらす快適な操作性は言うまでもないのですが、わけもなく触りたくなるガジェット感や昔のソニー製品が持っていたアナログなテイストなどがうまくブレンドされているように思います。ロハスでエコでオーガニックな時代の今だからこそ、生音を大事にしたい(しよう)ということもあるのかもしれません。

自分は試しませんでしたけど、音楽関係ではサンプリング用途などにも使えるのではないでしょうか。高性能なICレコーダーとして重要な会議を録音したり、ポッドキャスティング用のボイス録音機器としても活用できそうですね。万人が必要とするアイテムではないけれど、特定の人にとっては仕事や趣味に大変役立つ便利なアイテムになると思います。

ただ、今の自分にとってはどうだろう。音楽は好きだけど生録派でないのでぶっちゃけまったく必要ありません。あと、高音質なオーディオプレイヤーとしても使えるとありますが、さすがにでかくて重すぎますですよ。自分には無理…がっ!なんとなく後生のために所有はしておきたいような気もします…。「あればあったで便利かもしれないけど、無くても生活には全く支障がない」というのが今の自分のとってのD50のようです。(というか、ソニー製品自体、そんなモノばかりなのかもしれませんけど…)

最後になりましたが、D50を貸し出してくださった「みんぽす」さんにこの場を借りて御礼申し上げます。

【みんぽすモノフェローズ】リニアPCMレコーダー「PCM-D50」を試す(1)~生録編

d50_01.jpg予告していましたソニーのPCMリニアレコーダー「PCM-D50icon」のレビューです。この手のレコーダーは、展示会や店頭でちょこっと触った程度で、実際に使い込むのは実は初体験です。

なお、今回の実機は「みんぽす」のモノフェローズ制度を利用してお借りしているものです。みんぽすとモノフェローズの詳細についてはこちらをご覧ください。また、D50の製品パッケージや専用オプションの詳細については、モノフェローズ仲間のVirgoさんが素晴らしいレビューを書いてくださっているのでそちらをご参照ください。

■とりあえず使ってみた

こういう商品は箱から出して即使いたい性分なんです自分。本体とACアダプターだけ取り出し、後先考えずに電源オンです。モノクロ液晶ディスプレイにSONYロゴ表示。ほどなくして内蔵メモリーへのアクセスがあり、ディスプレイが標準画面になれば使い始められます。時間にして10秒もかかってません。起動が速いのは良いですね。

あと、なんでしょう、この手触り感は。ずっしりと重く、ひんやりと冷たい。冬場に長時間、しかも素手で持つのはしんどい…のだけれど無駄に手に取りたくなってしまうというか。手に余るサイズなんだけど、わしっとわしづかみしたいというか。無駄に多いボタンやダイヤルが妙にオトコゴコロをくずぐるというか。

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GUIはオールイングリッシュ。この手のAV機器は昔から日本語は使わんですよね。また、ディスプレイに表示される情報もいたってシンプル。レベルメーター、時間情報、録音・再生状態、フォルダ・トラック番号、などで画面の大半を占めています。所詮はレコーダーだもの、こんなもんで十分です。で、後先考えず、おもむろにRECボタンを押すわけです。だって、マイク内蔵なんですもの。余計なセッティングもいらないのです。

d50_05.jpgRECボタンが赤く光ってPAUSEボタンがオレンジ色に点滅。でもって、ディスプレイの右にあるREC LEVELダイヤル(アナログ!)で録音レベルを調節してからPAUSEをおもむろに押すと録音開始です。レベルメーターがせわしなく動きます。録音を終わりたければストップボタン。プレイボタンを押せば直前に録音したものが即再生されます。なお、再生音の確認にはヘッドホンもしくは外部出力が必要です。ちなみに、ヘッドホン端子用のボリュームは液晶左のボリュームダイヤルを使います。

カセットデッキやラジカセ、録再可能なMDウォークマンなどを使ってきた人なら迷うこともないでしょう。単体で使う場合はICレコーダーそのもの。録音対象にマイクを向けてボタン操作するだけでとりあえず録音できるのが良いですね。録音を開始するまでの5秒前がバッファされるプリレコーディング機能も付いていますから、録音対象によっては便利に使えますね。てなことで、取説いらずでアナログ感覚で使えるD50、なかなかにすごいです。

■生録にチャレンジ

取説にも一通り目を通した後、次はいよいよ本格的な生録にチャレンジ…といきたいところだったんですが、何を録音すれば良いのかとしばし悩む自分。昔、デンスケにはあこがれた口ですが当時は高価でまったく手が出せず。中坊の頃に買ってもらった東芝のラジカセ「アクタスパラボラ(だったかな)」も、気がつけばFMのエアチェックが主体。

物心ついた頃にはギターにはまり、おきまりのバンド活動。バンドの練習にしても学校やスタジオでしたが、自分たちの演奏を録音するためにでかくて重いラジカセ(当時)を持ってくるような甲斐性のあるヤツは一人もおらず。ラジカセはもっぱら楽曲のコピーやら楽器の練習用に使うものでしたから…。当時、D50のようなレコーダーがあったらどれだけ便利だったことか。

てなことで、野鳥や電車(SL?)の音を録音、みたいな生録マニア生活をスルーしてオトナになった輩がいまさらそういうものを追いかけても面白くないだろうということで、ここはストレートに生楽器を録音してみようということにしたわけです。今、手元にある生楽器はウクレレとアコギ(オベーション)だけ。とはいえ、いずれもケースにしまいっぱなしで何年も手を付けていないしろもの。さびた弦の音を録音したらD50に申し訳ないということで、何年かぶりで楽器屋に行って新品の弦を調達。オベーションだけですが、せっせと弦を張り替えてなんとか使えるようにしました。

がっ!何年もギターに触れていなかった自分の指はふぬけのようにふにゃふにゃ。皮がむけるは痛いはでまったく使い物になりません。とはいえ、他に録音対象も思いつかず…。あきらめて指の痛みと闘いつつ、生ウクレレと生ギターの録音にチャレンジしてみました。ちなみに、アコギの録音なんて人生初です。

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大容量フラッシュメモリー搭載のステレオICレコーダー新製品2機種

ソニー、MP3再生対応ボイスレコーダの2GBモデル-最高音質で35時間録音可能。形式はLPEC

iconiconソニーがMP3再生にも対応するフラッシュメモリー内蔵のボイスレコーダー2機種を2/21に発売するそうです。価格はオープンプライスで、ソニスタ販売価格はメモリー2GBの「ICD-SX88icon」が24,800円、同1GBの「ICD-SX78icon」が19,800円。PCとの接続はUSBで、データの取り込みや管理は付属の「Digital Voice Editor Ver.3.1」を利用。録音したデータはMP3やWAVに変換可能。電源は単4ニッケル水素電池2本で、USB経由での充電も可能とか。

地味に新製品を出しているように見えるんですが、ソニーのボイスレコーダーって国内シェア2位なんですよね。

iconiconちなみに、こちらの記事では本気モードで議事録作りをするために、PCMレコーダー「PCM-D50icon」をボイスレコーダーとして使おうと提案してます。「会社トップや著名人にインタビューするときなど、失敗が許されない場面で絶対的な安心感になるだろう」とのこと>生録レコーダーで議事録革命・ソニー「PCM-D50」

余談ですが、昨年小寺さんとロケフリ対談した時、同行した編集のご担当さんはポータブルカセットレコーダーで対談の音声を収録してたんです。テープが一番信頼できるんですって。アナログだから巻き戻しや早送りも感覚的にできるとか。バックアップも複数台あるとおっしゃってました。プロの現場ではアナログがまだまだ現役。面白いですね。

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MP3ステレオ録音・再生可能なソニーのICレコーダー新製品が登場

MP3ステレオ録音・再生に対応した、USBダイレクト接続のステレオICレコーダー 発売(ソニードライブ)

ソニーは、MP3形式のステレオ録音・再生に対応し、内蔵USB端子でPCとのダイレクト接続が可能なステレオICレコーダー2機種『ICD-UX80icon』(2GBメモリー)、『ICD-UX70icon』(1GBメモリー)を11/21に発売すると発表。ICレコーダーは趣味での活用場面が増え使用用途やユーザー層が拡大。様々なニーズに応えるため、汎用性の高いMP3を録音・再生形式として採用。大容量メモリー内蔵で、長時間の音声や音楽ファイル、PCデータの保存が可能。更に漢字表示対応の液晶を搭載し利便性アップ。また、豊富なカラーバリエーションを取り揃え、好みのカラーを選択できるとしています。価格はオープンですが、市場推定価格はUX80が20,000円前後、UX70が15,000円前後。

iconiconソニー製品がMP3録音に対応するというのも、ある種感慨深いものがありますが、むしろこれが世の流れ。別売オーディオケーブルでマイク/オーディオイン端子から直接録音が可能だったり、Mac OSにも対応している点にも注目です。これならポッドキャスターにも受け入れてもらえそうですね。ちなみに、ソニスタでの販売価格は2GBが19,800円、1GBが14,800円となかなかリーズナブルです。

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ソニー、512MBフラッシュに301時間録音可能なICレコーダーとPCM-D1用マイク接続アダプタを7/21に発売

コンパクトボディに最長約301時間録音が可能。見やすく使いやすいエントリーモデル ICレコーダー ICD-B60

iconicon512MBのフラッシュメモリーに最長約301時間の録音が可能なICレコーダーのエントリーモデル『ICD-B60icon』が7/21に発売されるそうです。価格はオープンですが、ソニスタでの販売価格は9,980円。 見やすく使いやすい大型液晶ディスプレイ、大きな音で聞きやすい大口径・大出力スピーカー、テレコ感覚で操作できる「くるくる音量ダイヤル」採用などが特長。

500MBで300時間ってことは、1MBでおおよそ100分の録音が可能って事ですね。そう考えるとなんだかものすごいことのように思えます。

ソニー、リニアPCMレコーダ用マイク接続アダプタ-ファンタム電源/XLRバランス入力対応。実売5万円

iconiconリニアPCMレコーダ「PCM-D1icon」で、XLRバランス入力を可能にするマイク接続アダプタ「XLR-1icon」も7/21発売だそうです。バランスからアンバランスへの変換用トランスを内蔵。単3電池4本でファンタム電源にも対応。PCM-D1本体との接続用プレートも2枚付属。価格はオープンですがソニスタでの販売価格は49,800円。

PCM-D1本体と合わせてしめて247,800円なりー。15%オフクーポンを使えば21万ちょっととお安く…ないない。

以下、個人的に気になるオーディオ関連のニュースです。

カスタムメイドの再生専用携帯音楽プレーヤー、1900円台で登場

音声で10時間、音楽で最大70分の収録が可能な再生専用プレイヤー。「音が出るアルバム」を持ち歩くとでも言いましょうか。価格は最少受注個数3000個で1900円、納期は5週間とか。なんか、セルMD(懐かしい!)を思い出しちゃいました…。

NECエレ、H.264エンコーダ内蔵の携帯電話用LSI「M2」

ウォークマンA800シリーズ向けのLSIを製造したNECエレが元気です。H.264エンコーダ/デコーダ内蔵のケータイ用LSI。ソニエリも次はビデオウォークマンケータイか…。

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