「有機ELテレビ」カテゴリーアーカイブ

クリエ「PEG-VZ90」があったから今の有機ELテレビ「XEL-1」がある

2人の職人が作る「未来のテレビ」(My Sonyメールマガジン オフィシャルサイト)

My Sonyメールマガジンのシリーズ記事「ソニーのDNAを受け継ぐ職人たち」の第3弾は有機ELテレビの開発者インタビュー。登場するのは有機ELパネル職人の藤岡さんと、有機ELパネル職人の菊地さんのお二人。2003年にソニーに入社した藤岡氏が手がけたのがクリエVZ90向けでソニー初となる有機ELパネルの開発と量産。その完成度が社内外から高い評価を受け、世界初となる有機ELテレビ「XEL-1icon」の基礎を築くことになったそうです。

クリエVZ90が果たした役割は大きかったんですね。なんか書いてて涙が出てきた…。良かったらクリクラ時代のVZ90の特集なども読んでやってくださいマシー>クリエ PEG-VZ90関連リンク集

iconiconインタビューは最初から最後まで読みどころが盛りだくさん。今後について、「丸められるテレビ」「存在感のないテレビ」「映像が3Dになって浮き出るようなテレビ」「画面サイズを大きくして部屋の壁一面に貼り付けえられるように」といったアイデアもお持ちのようです。かなうと良いなあ、丸められるテレビ。

また、ソニーの環境への取り組みも忘れちゃいけませんね。「ぶっちぎりの省エネ性能」が最大の訴求ポイントのBRAVIA JE1開発者インタビューもあわせてどぞー>「ぶっちぎり省エネ」。ソニーにBRAVIA JE1の秘密を聞く-リサイクル10年の歴史と、この先のテレビ

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ソニーの有機ELテレビがMM総研大賞受賞~日本のものづくり力を代表する製品

「MM総研大賞2008」実施と審査結果のお知らせ(MM総研)

MM総研が、IT分野で積極的に新商品、新市場の開拓に取り組んでいるベンダーを表彰する「MM総研大賞2008」の大賞および最優秀部門賞、ものづくり優秀賞、話題賞を決定し、その結果を発表。最終選考は、石田晴久東大名誉教授を委員長とする審査委員会の厳正な審査のもと行われ、ソニーの有機ELテレビ「XEL-1icon」が大賞に決定したそうです。また、同製品は「ものづくり優秀賞」にも選定されています。

iconicon有機ELは薄型テレビの次世代ディスプレイとして、また、その他の幅広い応用製品への展開など、今後の普及も期待されており、日本のものづくり力を代表する製品としての高い評価も含め、選考対象の全14商品の中で最高の評価に値すると判断したとか。

なお、ブルーレイディスクレコーダー部門では松下のDIGA「DMR-BW900」が、ユビキタス端末部門ではアップルの 「iPod touch」が最優秀部門賞を獲得しています。レコーダーがなんでBlu-rayだけに絞られているのか、ユビキタス端末の定義、そしてこの賞の権威がどれほどあるのか、今ひとつよくわかりませんが、ともあれ、XEL-1が日本の製造業パワーを象徴する製品として高い評価を得たことは意味のあることなんでしょうね。

【追記】富士キメラ総研の調査によると、有機ELは2010年頃から徐々に市場が拡大すると予想。2012年には300億円規模になると予測しているとか>有機ELテレビ市場は2012年に’07年の100倍に

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ソニーと出光が有機EL素子で世界最高レベルの発光効率を達成

有機EL青色素子で世界最高レベルの発光効率を達成(Sony Japan)

出光興産とソニーが有機EL素子において世界最高レベルの発光効率を達成したそうです。出光の材料技術とソニーのデバイス技術の融合により、素子の内部発光効率(内部量子収率)を28.5%まで高めることに成功。これにより、有機ELディスプレイの低消費電力化を実現することが可能とか。両社は今後も共同開発を積極的に推進し、有機ELディスプレイのさらなる高性能化を目指すとか。

何やら難しそうな話ですが、RGB3原色の中で現在最も消費電力の大きい青色素子の駆動電流を大きく低減する事が可能なんだそうです。今後の中大型有機ELテレビ実用化への貢献が期待できる成果とか。 中型、大型もいいけど、是非小型のものもお願いします。小型といえば、「モバイル用低温ポリシリコン液晶ディスプレイ」の存在も忘れちゃいけませんね。

【追記】米3Mが液晶テレビ向け光学フィルム技術のライセンスをソニーに供与する契約を締結したと発表したそうです。同社の高額フィルムは光の最適化や再利用によりディスプレイの明るさを大幅に向上させ消費電力も低減できるそうです>米3M社,ソニーに液晶テレビ向け光学フィルム技術のライセンスを供与

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ソニーのテレビビジネス戦略~有機ELテレビによるプレイスシフト提案も

「ソニーが最も薄いテレビを投入する」、吉岡事業部長 ファインテック・ジャパンで講演。世界1,000万台出荷達成

ファインテック・ジャパンの基調講演に、ソニー コーポレート・エグゼクティブSVPテレビ事業本部長の吉岡浩氏が登壇。「ソニー テレビビジネスの成長戦略」をテーマに講演した内容がレポートされています。同社の薄型テレビビジネスの拡大要素は、「安定かつ競争力のあるパネル調達」、「確実な商品供給」、「売り抜く販売網」、「魅力ある商品の投入」とか。有機ELテレビは次世代テレビの最有力候補であることには変わりなく、薄さ軽さを生かした新しい設置スタイルの提案も視野に入っているようです。ちなみに、Display 2008のソニーブースでは、薄さ0.3mmの有機ELパネルの技術展示が行われているそうです。

iconicon吉岡浩氏と言えば、コネクトでボロボロになったウォークマンビジネスを立て直した立役者。「吉岡氏のクールな判断力が、ウォークマンA800シリーズを完成度の高い製品へと導いたのだろう」とはケースイさんの言葉ですが、テレビでもその手腕をいかんなくクールに発揮してくれることでしょう。有機ELパネル採用のモバイル機器も是非!

【関連リンク】
ウォークマンA800シリーズにはソニーのオーディオの歴史が詰まっている
ウォークマンは音楽を楽しむ専用機~今後はスタンドアロンデバイスとしての存在感を高める
吉岡氏のクールな判断力が、ウォークマンA800シリーズを完成度の高い製品へと導いた

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有機ELテレビ、大型化にはまだまだ壁が多いが今後5年以内にブレイク

07年ハイビジョンムーブメント爆発(下)進化・深化・真価をみせた3製品

麻倉怜士氏が選んだ07年AVニュースの栄えある第1位は有機ELテレビの商品化。同氏の見立てでは有機ELテレビは今後5年以内にブレイクするだろうとのこと。ターゲットはアナログ停波の2011年で、液晶と覇権をめぐり戦争状態に入ると読んでいるとか。

iconiconまた、「デバイス開発だけでなく、テレビとして商品化に成功したのはソニーのものづくりが一定程度前進した証拠であり、ソニーに大きな自信を与え、業界的にもELというリスキーなデバイスに対し、やればできるという自信を持たせ、参入を誘う契機になろう」とまとめておられました。

いたるところで有機ELマンセーの声を掲げる麻倉氏はまさに有機ELテレビの伝道師ですね。とかいいつつ、自分も人のこと言えないです。XEL-1iconのせいで今まであまり取り上げなかったテレビ関連のエントリーが異常に増えちゃいましたから。ホント興味ない人には申し訳ないです。

2008年に期待される新技術 (2/2)

こちらはITmedia +D LifeStyle、本田雅一さんのコラム。来年期待されるテレビの新技術を取り上げておられますが、有機ELに関しては皆が期待する大型化には壁がまだまだ多いとして、当面の目標は20インチ程度でないかと予想されています。有機ELの大型化で壁になっているのは歩留まりでなく消費電力なんだそうです。ただ、「技術的なブレークスルーは、ある日突然、われわれの目の前に現れるもの」であり可能性はゼロではないと締めくくっておられました。

仮に大型化の目処が付いたとして、消費者にとっての一番の壁はおそらく価格。XEL-1が11インチ20万だから単純計算で20インチが40万弱。XEL-1を買った自分が言うのもなんですが、それだけの金額を支払う価値があるとソニーが消費者に納得させられるかどうかにかかっているのでしょうね。

【追記】その後、ASCII.jpにXEL-1のレビューが掲載されていました。「語る前に眺めて感じろ」という見出しがうまい!>【レビュー】世界初有機ELテレビ「XEL-1」は、ひとりじめ感が最大の特徴

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有機ELテレビ「XEL-1」に見え隠れする「こだわり」や「割り切り」

【有機ELテレビ分解その10】やはり暗所コントラスト比は高い,各種表示特性を測定

Tech-On!の有機ELテレビ「XEL-1icon」のバラシ記事、第10段。同パネルは黒色表示時は発光材料が光らないため暗所コントラスト比が高いのが特徴で、実際に測定してみたら評判どおりの性能だったそうです。また、コントラスト比以外にも様々な表示特性を測定。その結果から、まだまだ課題の多い有機ELパネルを使いこなそうとする数々の工夫がうかがえたとのこと。それらの詳細は日経エレクトロニクス2007年12月31日号に掲載されるそうです。
【追記】その後、その11も公開されています>【有機ELテレビ分解その11】サブピクセル当たりのTFTは2個か,画素構造を観察

XEL-1のコントラスト性能についてはAV REVIEW 08/1月号の付録のBDソフトでもその威力を十分に把握できました

ソニーの「こだわり」や「割り切り」が見え隠れする有機ELテレビ

iconiconこちらは一連の分解記事を担当した記者の方が書いたコラム。分解し終えて感じたことは、“有機ELパネルに対するソニーの「こだわり」と「割り切り」がはっきりとしている”ということとか。実際、「パネルの完成度は高く,分解に立ち会った技術者が驚くほどのレベル」で「パネル開発に多くのリソースを投入したに違いないと感じ」たそうです。なお、有機ELテレビの大画面化については、ソニー自身が「現時点では未定」とコメントしており、時間が掛かりそうとしていました。

大型化は誰もが期待していると思いますが、個人的には逆の小型化を推し進めてもらいたいです。ケータイはもちろん、ウォークマンなどソニーのモバイル機器への全面的な採用を期待しておりまーす。

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