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2008年1月28日
ワイヤレスオーディオレシーバー「DRC-BT15P」を試す(2)
前回に引き続き、今回はワイヤレスオーディオレシーバー「DRC-BT15P」とBluetooth搭載ケータイとの連携について、手持ちの東芝製au「W54T」との組合せを試してみた結果をお伝えします。
■BT15PとW54Tの連携でできること
BT50とほぼ同じなんですが、BT15PとW54TをBluetooth接続することで、ハンズフリー(HFP)による通話以外に、W54T側の音楽プレイヤーやワンセグの音声出力とワイヤレスによる基本操作が可能になります。これらは、両機が対応する「AVRCP」(リモコン操作)、「A2DP」(ステレオ音声)というBlueotoohプロファイル、によって実現できています。また、W54Tはコンテンツ保護に対応したSCMS-T方式を採用しているため、接続できる機器を選びますが、BT15PはしっかりSCMS-T方式に対応しているのでまったく問題ありません。
■BT15PとW54Tのペアリング
W54Tは初期登録段階で「ワイヤレス機器」と「ハンズフリー機器」の二つの選択肢があります。前者がワイヤレス操作と音声出力にハンズフリー通話をひとまとめに接続(HFP/AVRCP/A2DP)、後者がハンズフリーのみで接続(HFP)するものです。ペアリングは、
- BT15Pの電源ボタンを長押し(7秒)してペアリングモードに移行
- W54T側からBluetoothの初期登録>機器検索を実行
- 「DRC-BT15P」を選択
- W54Tがパスコードを要求してきたら「0000」を入力
以上のステップです。HFPかA2DPで一度ペアリングしてしまえば以後は面倒なパスコード入力は必要ありません。W54TからBluetoothの接続待ちを開始すれば、BT15Pの電源を入れると自動的にHFPで接続してくれますし、「ワイヤレス機器」からBT15Pを選択すればA2DP接続も追加され、AVアプリの音声も出力されるようになります(詳細は後述)。
ちなみに、W54TにはBRM1やRollyなど手持ちのBluetooth対応機器を手当たり次第に登録してあるのですが、BT15PとBT50はアイコンが自動車で他の機器はヘッドホンなんですよね。違いが今ひとつわかりませんが…。
■BT15Pで楽しめるW54TのAVアプリ
W54T側からBT15Pを「ワイヤレス機器」で接続すると、ハンズフリーによる通話以外にに、音楽プレイヤー(LISMO)やワンセグ・デジラジ(EZテレビ)、FMラジオ(EZ FM)の音声をワイヤレスで楽しめるほか、曲やチャンネルの送りをリモコン操作できるようになります。有効にするにはW54TのBluetoothメニューまたはトップのショートカットから「ワイヤレス機器選択」にアクセスして「DRC-BT15P」を選択します。
W54TとBluetooth接続した状態でBT15Pのプレイボタンを押すとW54TのLISMOプレイヤーがバックグラウンドで立ち上がり音楽の再生が始まります。曲の再生中にFFとREWボタンで曲の送り、戻しも可能です。なお、早送りと巻き戻しは機能せず、連続再生した時の曲間ノイズも発生。BT50とまったく同じでした。ワンセグは、これまたBT50同様、定位が右より。これはW54Tの仕様と割り切ります。ちなみに、FFとREWボタンでチャンネルの送り、戻しが可能です。
■BT15Pでハンズフリー通話
同居人に協力してもらい試してみましたが、BT15Pのマイク音声についても聞き取りやすいそうです。ただ、ストラップとの組合せの場合は微妙に服とこすれるのか、がさごそ音がするといってました。また、相手側の音声はヘッドホンをしていることもあって音質はイマイチながら聞き取りやすいです。
ちなみに、音楽プレイヤーやワンセグを楽しんでいる状態で着信があると、いずれもアプリが中断されるようになっています。着信時にマルチファンクションボタンを押すと通話できます。終了後は自動的に着信前のアプリに戻り再生を開始します。また、W54TとBT15Pを「ワイヤレス機器」接続している場合のみ、CメールやEメールの着信があった場合、AVアプリの再生が一時ストップして着信専用アラームが鳴ります。アラームが終わると再び再生が開始されます。
■複数のBlueooth機器との組み合わせは?
BT50で悪戦苦闘しソフトバンクのZTBAC1ではNGだった、音楽再生はウォークマン+NWB1、ハンズフリーのみW54TとBluetooth接続という組み合わせですが、BT15PではBT50の苦労が嘘のようにあっさりできちゃいました。手順はこんな感じ。
- あらかじめW54T側で「ワイヤレス機器」接続をOFF(本体スピーカー)に
- W54TのBluetooth待ち受けをON
- BT15Pの電源を入れると、W54Tとハンズフリー(HFP)のみで繋がります
- ペアリング済みのウォークマン(+NWB1)の電源を入れます
- BT15Pとウォークマン(+NWB1)がA2DP接続
以上のステップで、音楽再生はウォークマン+NWB1、ハンズフリーのみW54Tが可能になります。ウォークマンの音楽再生もリモコン操作もまったく問題なし。ケータイに着信があると、ウォークマンの再生はストップしマルチファンクションボタンを押すと通話できます。当然、通話終了後は音楽再生が復帰します。あー、なんと快適なんでしょう。なお、メールの着信があった場合の着信専用アラームは鳴りませんでした。
ちなみに、自分のように複数のBluetooth機器にこれまた複数の機器を登録していると、ペアリングの順序の問題もあってか、機器同士がサクッと繋がらなくなることがあります。BP15Pを使っていて、繋がるのに時間がかかるとか、なかなか繋がらない場合はマルチファンクションボタンを押してみましょう。こうすると機器を検索しに行ってくれるみたいです。
■ソニエリのBluetoothケータイとBT15P
2008年1月現在、ソニエリのケータイでBluetoothを搭載している機種は、間もなく発売されるau「W54S」のみですが、噂のサイバーショットケータイ「W61S」にもBluetoothが標準搭載されるような話になっています。前者は東芝のOEMとの話なので、おそらくBT15Pとの相性も良いはず。後者については詳細がわかりませんが、ソニーのオーディオチームがBT15Pを「for Bluetoothケータイ」としてプロモするぐらいですから、東芝製ケータイと同様の使い勝手をソニエリが実現してくれると思います。
auにとどまらず、日本のソニエリケータイにBluetoothが標準搭載されるようになれば、自ずとBT15Pのような商品が注目を浴びることになり、ソニーのオーディオビジネスにも活力をもたらしてくれるはず。W61Sの動向を含め、ソニーのワイヤレスオーディオ機器の今後に期待したい今日この頃です。
これまた長くなったので、音質や感度、まとめ的なことは次回に。