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2006年1月 8日

ストリンガー氏、CES基調講演でXCP問題に言及

CESでのストリンガー氏の基調講演ですが、冒頭でXCP/rootkit問題について言及していたようです。以前のエントリーで取り上げた同氏の基調講演に関するメディアの報道ではほとんど触れられていなかったように思いますが、今回紹介した2つのコラムでは共通してXCP問題の件が取り上げられており、なおかつ取り上げ方に温度差を感じたのでその部分を引用してみました。

エンタテインメント企業としての側面を強調するソニー

内容的には、XCPが著作権を保護するというより、ユーザーに酷い仕打ち(使われた言葉はpunishment)をする結果となってしまったのは皮肉なことだったが、それだけコンテンツ保護について真剣に考えている証である、といったような話で、ユーザーに対する謝罪、というニュアンスは感じられなかった。CESというイベントが基本的に業界関係者向けで、ユーザーや消費者向けのイベントでないことを反映したものかもしれないが、この件についても、もっと踏み込んだ発言が欲しかったように思う。

こちらは、PC Watch、元麻布春男さんの週刊PCホットライン。XCP問題以外に、発表された新製品群への物足りなさやオープニング映像へのツッコミなど、「こうしたディテールも含めて、クラフツマンシップのようなものが最近のソニーには希薄になっている気がしてならない」と終始不満げなご様子。

ストリンガー会長の素顔を見た・米企業「ソニー」の色濃い基調講演【CES】

メディア関係者は、ストリンガー会長がこの問題には触れないと予想していた。にもかかわらず、冒頭から「懲罰をうけた」と懺悔にも似た言葉が聞けたことは意外だった。また、ソニーがコンテンツを持ったが故に、デジタル家電製品で革新的な製品を出せなくなったと言う批判についても「足かせになったかもしれない」と独白調で触れた。都合の悪いことに口を閉ざす経営者が多い中、あえて基調講演の冒頭に述べるのは勇気ある行動だと言えよう。そうした経営者像は賛否両論があるだろうが、少なくとも問題に対して正面からぶつかってゆく姿勢を同氏が持っていることは間違いないだろう。まさに冒頭の数分で、講演の山場は終わったとも言える。

こちらは、NIKKEI NETのIT-PLUS、小池良次さんのコラム。講演全般については、従来のソニーなら、過剰な趣向を凝らす感じがあったが、「今回の講演は肩の力が抜けた落ち着いた講演で、米国企業としてのソニーを感じさせる米国人好みの趣向だと感じられた」とまとめていました。

著名なジャーナリストの皆さんでも感じ方は様々。お二人の活動拠点の違いからくるものなんでしょうか…。会場に足を運べない日本のソニーファンからしてみれば、どちらのコラムも貴重な情報源であることにはかわりありません。

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テンポラリー・オリエンテッド・コンテンツ(山田祥平のRe:config.sys)

投稿者 SPA : 2006年1月 8日 10:47 : カテゴリー ソニー全体