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2005年3月30日
音楽ケータイのソリューション、ホームオーディオ連携というアプローチの先導役にふさわしいのはソニー
昨日紹介した神尾さんのコラム後編。予想通り、iPodの死角とは「PCを必要としないリッピング環境の構築」ということでした。「音楽ケータイのソリューションには、既存のMDプレーヤーを置き換えるような形での、ホームオーディオ連携というアプローチが必要」だとして、その先導役にふさわしい企業としてソニーの名前をあげています。そして、ソニーには、“音楽ケータイの使用する「メモリーデバイス」の規格統一が必要”と厳しい課題を突きつけています。
個人的には、かつてはクリエいまならPSPでデジタル家電との連携を熱く語ってきたこともあり、神尾さんの言う音楽ケータイに限った話ではないと思っています。ソニーには一応「ネットジューク」という製品があって、制約付きながらメモリースティックDuoに音楽を書き出す機能を持っていてますが、AV家電からのアプローチはこの製品がOne and Onlyなんですよね。音楽CDを録音できる機能を持つPSXも、メモリースティックの書き出しには対応していないという現実があります。
メモリーデバイスの規格統一が必要とする神尾さんの言葉も、新社長となる中鉢氏の次世代DVD規格標準化への歩み寄り発言などもあって、可能性としては無いこともないと思っていたのですが、よくよく考えてみると、久多良木氏が21世紀のウォークマンと豪語するPSPが米国で販売がされ、今後も世界各地で販売されることを考えると、今の段階での方向転換はありえないという気もしています。
神尾さんがソニーに期待する気持ちは、基本的に私のファン心理となんら変わりないと思うのですが、メモリーデバイスに関してはメモリースティックという独自規格を推進せざるを得ない点で、「先導役にふさわしい」とは言えなくなってしまうのではないでしょうか。しかしながら、メモリーデバイスはメモリースティックだけではありませんから、小型化が進むHDDや大容量化が加速しているフラッシュメモリの採用も進んでいくでしょう。そうなれば「規格統一」という言葉すら意味をなさなくなっていくのかもしれません。
そもそも、神尾さんの言う若い人たちなら、あんな小さいメディアをいちいち出し入れする気は無いと思うんですよね。ケータイを家電やPCともっと手軽に(ケーブルレスで)連携できるようにすることの方がメディアの規格統一を語るより重要なのではないでしょうか。
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