Olasonic NANOCOMPOシリーズ第一弾 USB DAC内蔵プリメインアンプ「NANO-UA1」を試す(5)

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NANOCOMPO第一弾「NANO-UA1」ですが、最終回はヘッドホンアンプとしての「NANO-UA1」の実力を診断したいと思います。ま、手持ちのヘッドホンアンプ自体、Olasonic「TW-D7IP」内蔵のものや、Stereo誌2013年1月号付録の「LXU-OT2」程度しか、比較対象が無いのですが、これらをPCに接続して手持ちのヘッドホン(ソニーMDR-1RBT、同MDR-CD900ST)にて聞き比べてみました。

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比較の前に前々回、前回で聞いたハイレゾ音源をヘッドホンで聞いてみることにします。手持ちのスピーカーがどれも小型で、しかもPCの付属品だったり自作だったりと、UA1の持つ真のパフォーマンスを引き出すには役不足な感は否めずでした。モニターヘッドホンとして業界から絶大な信頼を置かれている「MDR-CD900ST」なら、UA1の本来のパフォーマンスというか音作りが楽しめるのではないかと思ったり。

Mike PorcaroやParisMatchの音源で確認しましたが、ヘッドホンは楽器の演奏の微妙なニュアンスがより聞き取りやすくなりますね。ドラムスのハイハットやシンバルワークの微妙なニュアンス、バスドラやスネアの力強いアタックとその余韻、ワウのかかったギターカッティングのエフェクトのかかり具合、トランペットのミュート、ボーカルの息遣い、コンサートホールならではの残響感等、普段の圧縮音源+イヤホンでは味わえない明瞭感のあるリッチな音の再現に感動することしきり。味付けで使われるトライアングルの音色(チーンと鳴ったあと徐々に減衰していくあの感じ)が美しいと感じたのは初めてかも。というか、1曲にここまで多種多様で細かいパーカッションサウンドが入っているのかと驚くことしきり。パーカッショニストを目指す人はハイレゾ音源と対応ヘッドホンアンプに良いヘッドホン必須だな…。

MDR-1RBTではまた違ったニュアンスの音が出てきて面白い。ちなみにこのヘッドホンはBluetooth対応機ですが、有線接続時はMDR-1とほぼ同じ音が再現できると開発関係者の人に聞いています。昨今はやりの音楽に合わせて低音が強めのチューニングが施されており、モニター傾向の強いCD900STよりもオーディオ的な音がします。バスドラやベースの音がかなり前に出てくるイメージ。何もしなくてもラウドネスが効いてる感じで、ベーシストな人はこのヘッドホンの方がフレーズ追いやすいかも。個人的にはモニター寄りの方が好きなので単純にMDR-CD900STの方が聞きやすいと感じたけど、MDR-1RBTでも長時間使ってると低音に耳が慣れちゃって気にならなくなっちゃうから不思議(耳エージングという言葉もあるぐらい)。でもってCD900STに戻すと低音が物足りなく感じたりするという…。こういう行為を繰り返していくうちに、目に見えないオーディオ沼にのめり込んでゆくのでしょう。

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その後、TW-D7IPとLXU-OT2で試してみました。CDはともかく圧縮音源ではそれほど差が出ないかと思いきや、すべての入力で192kHz/24bitにアップサンプリングし高音質な信号処理を行っているだけあってUA1から出てくる音は明らかに違いました。あくまで主観的ですが、出てきた音の良さの順では、NANO-UA1>TW-D7IP>LXU-OT2。ま、値段からしてもそうならないとまずいわけですが…。

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ただ、TW-D7IPにしても、LXU-OT2にしても侮れないことだけは確か。前者は非常にクリアで素直な音を楽しめます。iOSデバイス繋ぐよりPC繋いでヘッドホンで聴く方が断然良い音。後者は雑誌の付録とは思えない内容ですが、ヘッドホン経由はノイズが気になるかな…。

ということで、結論と言うほど大げさなものでは無いですが、NANO-UA1のヘッドホンアンプとしての性能もかなりのものだと思いましたです。結構すげーヘッドホン持ってるぜ的な方にもそこそこアピールするのでは無いでしょうか。ヘッドホンなら深夜に思いっきり大音量で音楽聴いても怒られませんしね…。機会があれば是非自分のヘッドホンを持ち込んで店頭などで組み合わせて視聴してみてください。

そうそう、ヘッドホンアンプと言えば、DigiFiのNo.10にOlasonic製のヘッドホンアンプが特別付録になるって知ってました?去年DigiFi No.7の付録で話題のUSB/DAC付きデジタルアンプに続くコラボ第2弾だそうですが、ありがたいことに、その量産品をいち早く使わせていただけることになりまして…。(下の画像の上部がヘッドホンアンプ基板です。以前のデジタルアンプと合体させちゃってますんでわかりにくくてすいません)

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良い機会なので、UA1があるうちに聞き比べてみようということで、PCに繋いでみたんですが、これ結構すごいですね。想像以上に暖かい音が飛びだしてきます。TW-D7IPは結構堅さを感じるんですが、付録のアンプはほのかではありますがぬくもりや湿り気がある感じ。これはこれで面白い商品だと思います。ボリュームスイッチ採用がこれまたうれしい。ということで、詳細についてはまた個別にエントリーしますね。

ということで、5回にわたってお届けしてきたNANO-UA1のレビューですが、返却期限もあるのでこの辺でおしまいにしたいと思います…

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という感じで締めようと思っていたのですが、NANOCOMPOシリーズのCDプレイヤーの試作機が出来たらしく、急いで送るからNANO-UA1と組み合わせて音を聞いてみなはれとの連絡を東和電子の山本社長さんからいただきまして…。そんなこんなで、返却が少し先延ばしになりました。付録のヘッドホンアンプの検証もまだまだこれからなんですが、まずはCDプレイヤーの方をやっつけねば。てことで、興味のある人はもう少しだけおつきあいのほどを…。