DigiFi No.10特別付録Olasonic製ヘッドホンアンプを試す

DSC06295

4/12に「これがDigiFi No.10特別付録のUSB DAC機能付きヘッドホンアンプだ」というエントリーを公開してからはや約2週間。急ぎでNANO-CD1を試す必要が出たり、同居人がインフルにかかったりで、遅くなってしまいましたが、ようやく腰を据えて使うことが出来たので個人的な感想をメモ書き。

2002年にデジタルマスターされた山下達郎「GO AHEAD!」収録の「Paper Doll」をサンプルに色々と聞き比べてみることにします。

同曲は、シンプルな4リズムながら粘っこい日本人離れしたグルーブを感じさせる初期の名曲。キレのある達郎氏のギターカッティング。田中章弘氏のうねるベースプレイ。上原裕氏の手数の多いドラムワーク。そして3人のリズムの上で泳ぎ回るように曲に表情を付けていく教授のエレピバッキング。分厚い吉田美奈子氏のコーラス。それらすべてが織りなす奇蹟のグルーブ。さびのシンコペが超カッコ良いのですよね、これが。

DSC06298

ということで、手持ちのヘッドホン3機種で聞き比べてみましたけど、ヘッドホンアンプの実力診断って難しいっすね。ヘッドホンのキャラでで全然音が変わるから…。

MDR-CD900ST
ギターアンプのノイズやボーカルにうっすらかかるリバーブがはっきりと認識できますね。解像感が高く、ドラムスの細かいスネアやハイハットワークがはっきりと聞き取れます。ベースとバスドラのコンビも自然。エンジニアなり達郎氏なりのミックスダウンの意図がよくわかる音が楽しめるのはモニターヘッドホンならではかも。

MDR-D777
中域のバランスが良いため、CD900よりは高音が押さえられている印象。残響感も薄れぎみ。耳に刺さるような音が無いため、長時間使っても疲れないかも。
(D777はここしばらく使ってなかったんですけど、NANO-UA1や今回のヘッドホンアンプと組み合わせて使ってみて、このヘッドホンが持つ能力を再認識しました。定番になれず、生産完了になってしまったのが残念。)

MDR-1RBT(Bluetooth対応ですが有線にて検証)
達郎氏のカッティングやドラムスの細かいパッセージが引っ込み気味となり切れ味は薄めに。ベースの音が太くなり、バスドラとのコンビネーションがより強調され前面に出てくる印象。ボリュームをかなり上げても聞きにくくならないのはさすが。D777とある意味真逆の音作りってことになるのか。音質については個人的にな好みにゆだねられそう。同アルバム収録の「Bomber」を聞くならこちらの方が体感度は高いかもしれない。

なにはともあれ、キャラの異なるヘッドホンをそれなりにぶん回せるという意味では十分な性能を持っていると思われ…。なにより、最終的に自分好みの音が出ていれば合格ってことで良いのでは無いでしょうか。

DSC06297

ここでStereo誌2013年1月号付録のラックスマン製ヘッドホンアンプに差し替えてみます。CD900STで聞いても全体的にベタっとした音像で、4リズムが中央に集まって演奏しているような印象。音源未再生時のキーンというノイズも気になります。再びOlasonicに戻してみると、パワーある音圧と高解像な音場をしっかりと感じさせてくれます。ノイズは無いわけではありませんが、うっすらと感じる程度で耳障りでは無いです。良く出来てます。

DSC06296

RCA出力も試してみます。繋ぐのはDTMブームの頃に一世を風靡したソニー「SMS-1P」。スピーカー自体にアンプが内蔵されているということもあってヘッドホンアンプ自体のの実力診断は難しそうですが音を出してみます。

SMS-1P

そもそもがモニタースピーカーなので、ヘッドホンで言うとCD900STに近い音かもしれません。サイズがサイズなので低音は弱めですが、ある程度はトーンコントロールで調整可能。Olasonicアンプ側でボリュームを絞ってもバランス良く音が出ているし、反対にかなりの大音量にしても破綻無く気持ちよい音が楽しめました。

個人的には、原音忠実再生が理想なので、ヘッドホンもスピーカーも、モニターよりの製品を好む傾向がありますが、今回のOlasonicヘッドホンアンプは、嫌らしくならない程度に、音源にパワーと解像感を付加してくれるような、そんな印象を持ちました。

参考までに、ヘッドホン出力とRCA出力は同時で、排他ではありません。ボリューム操作も完全に同期しますので、同時接続の場合は何かとご注意ください。

ちょっと音の良いヘッドホンがあれば、ごくごく普通のパソコンとの間に今回のヘッドホンアンプを入れるだけで、ワンランク上のPCミュージックライフが楽しめるのは間違いないっす。

DigiFi No.10は3,300円ですが、アンプ単体で換算すると2,000円程度。側(ケースのこと)こそ無いですが、市販のヘッドホンアンプと比べても破格値であることは間違いないです。興味のある人は絶対に買い逃さないようにしてくださいませ。

それと、HiVi付録として話題になった高級USBケーブル4本がセットになったムックもDigiFi No.10と同日に発売されるそうです。ケーブルで音が変わるのか、自分も当初は懐疑的でしたが、確実に変わります。Olasonicのヘッドホンアンプと組み合わせて、是非ともその違いを楽しんでみてください。とりわけ、Supraは面白いです。

ちなみに、本日4/25 14:30現在では、Stereo Sound Onlineの他に、7.netでも予約販売が始まっています。Amazonまだかしら…。

DigiFi No.10
USBケーブル×4 SPECOAL

【4/26追記】ついにAmazonでも予約受付開始です。別冊ムック「USBケーブル×4 SPECIAL For PCオーディオ」の予約受付も一緒にスタートしてます。


DigiFi No.10


USBケーブル×4 SPECIAL For PCオーディオ