スマホ向け位置情報連動博物館ガイドアプリ「トーハクなび」を試す


東京国立博物館(トーハク)と電通国際サービス(ISID)、クウジットは、位置情報などのIT技術活用により、東京国立博物館における鑑賞体験をより深めることを目的に、「トーハクなび共同研究プロジェクト」を発足。明日、4/19よりAndroidスマホ向け博物館ガイド「トーハクなび」アプリを無償公開します。

プロジェクトの期間は2013/3までの約1年間。幅広い層に使ってもらえるよう、また博物館来館者の裾野を広げるべく取り組んでいくもので、「トーハクなび」アプリを通じて、先端IT技術を身近に体験しながら展示品の鑑賞を楽しめる機能を順次提供するとか。


「トーハクなび」アプリは博物館の総合文化展を巡る5つの見学コースを収録。明日から配布される初回配布版には、館内回遊を促す施策としてスタンプラリー機能を搭載。指定箇所を回ると自動的にデジタルスタンプが取得され、全部集めると缶バッジなどのオリジナルノベルティがもらえる仕組み。


今後も、位置情報に連動した情報発信や体験型コンテンツなど、心地よい情報の受け方や時間の過ごし方を考察しつつ、来館者の豊かな鑑賞体験をデザインしていくとのこと。

その「トーハクなび」アプリ公開に先立ち、昨日4/17に、プレス向けアプリ体験説明会が東京国立博物館で開催されました。ソニーCSL時代からのご縁で、クウジットの末吉社長にお誘いいただき、一足早く「トーハクなび」アプリを体験できました。

一般公開前のため、あらかじめトーハクなびアプリがインストールされた初代Xperia(!)が貸し出されました。ちなみに音声解説を聞くためのモノラルイヤホン付きでした。他の来館者に迷惑をかけないためですが、明日一般公開されるアプリを使う場合もイヤホン使用をうながすのでしょうね、きっと。

5つの見学コースのうち、「日本美術の流れコース(45分)」と「スペシャルコンテンツコース(45分)」が位置連動型で、なび利用者(アプリをインストールしたスマホ)の位置を検出し、自動的にガイドが再生されるようになっていました。


体験時間は最長1時間とのことだったので、自分は本館2階を巡回する「日本美術の流れコース(45分)」を選択。ナビをスタートさせると、マップが表示され、ガイドがコースのスタート位置を案内してくれます。


以後、自動的にアプリ使用者の位置を読み取り、コーナー毎にガイドを自動的に再生してくれます。なお、利用者の場所を特定した時には、スマホ(Xperia)側でベル音の再生とバイブレーション機能で通知してくれます。


ちなみに、位置情報の把握には、ソニーファンにはお馴染みの、「PlaceEngine」ベースの「ロケーションアンプ」サービスが使われています。


チューニングにより、精度は3~5メートルに設定されているとか。自分が体験したコースは10カ所以上のコーナーを回りますが、個別のコーナーに足を踏み入れて数秒~10数秒後にはガイドが再生されていました。位置連動についてはほぼ完璧と言えそうです。


ちなみに、回遊・リピート施策のためのスタンプラリーもしっかりと位置情報連動してました。こうした技術の存在を知らない(関心が無い)人ほど驚きがあるのではないかと思われ…。


残った時間で「スペシャルコンテンツコース」の一部を体験しましたが、このコースのガイドにはインタラクティブなコンテンツが収録されていて、蒔絵の制作工程や金剛鈴の音をスマホ経由で仮想体験できたりします。

国宝級の展示物には触れらませんが、現物を目の前にしながらの仮想体験は斬新なんじゃないでしょうか。実際、昨年の貸出サービスではこうしたインタラクティブコンテンツは子供たちに受けが良かったそうです。

自分はどちらかといえば美術などにあまり興味がないほうです。そんな自分が予備知識無しで足を運んでも、限られた時間の中で、非常にざっくりとではあるけれども、日本美術の世界を体系的に知ることができたと言う意味でも、このアプリの存在意義はあるというもの。


展示品は入れ替えがあるため、展示品単体の解説まで踏み込むのは大変みたいだけど、そっちはRFID(ICタグ)などの個体識別技術で実現できないこともないだろうし、様々な検証を重ねていく中で実装されていくのではないかと期待してます。

また、アプリを先に体験してから実際に博物館に足を運ぶといった楽しみ方もあるでしょうし、アプリ側の情報が定期的に更新されればリピーターもさらに増えるはず。最終的にはこうした取り組みが全国各地の文化施設レベルで実現されるようになると良いなって思いました。


余談ですが、体験した45分コースのほぼ最後で原因不明のエラーが起こり、強制終了を促すアラートが表示されました。強制終了してアプリを再度立ち上げることで回避できましたが同時に一抹の不安も。

Androidスマホはまだまだ過渡期だし、環境も人それぞれ。バックグラウンドで動作するシステムタスクや他のアプリの影響で不安定になったりするケースもでてくるでしょう。ま、その辺含めての研究や技術検証の対象なんでしょうけど…。

あ、ちなみにiPhone(iOS)への対応は未定だそうです。ともあれ、日本の歴史を感じつつ、未来も感じるなんとも不思議な感覚が味わえることは確か。Androidスマホオーナーなら是非に。

最後になりますが、こんな場末のサイトなのにプレスとして招待してくださった末吉様並びに関係者の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

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